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ZEB(ゼブ)を取得するメリットについて専門家が徹底解説!

昨今、大手不動産会社を中心にZEBを取得する取り組み件数が増えていますが、わざわざコストをかけてまでZEB認定を取得するメリットがどこにあるのか、疑問に感じる方も多いでしょう。

実は、ZEBの取得には多くのメリットがあります

ZEBを取得する主なメリットは、光熱費の削減、リーシングへの優位性、不動産物件価値の向上です。

ZEBの取得には、環境面・生活面・経済面にも効果があるため、良い投資だと言えます。

この記事では、ZEBを取得することが極めて経済的にメリットがあることを分かりやすく解説しています。ZEBの取得を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

ZEB(ゼブ)とは?

ZEB(ネット・ゼロ・エネルギービル)とは、非住宅に付与される物件における「省エネ性能」の認定です。

高効率な設備システムの導入により室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現した上で、消費するエネルギーを全て太陽光発電などの自家発電で賄い、エネルギー消費量の収支を実質ゼロにすることで取得することができます。

また、ZEBはBELS(ベルス)の最高ランクに加え、もう一段環境性能が高い建築物であることを示します

ZEBを取得することでBELS評価書の星がキラ星5つ表示となり、評価書の下部に「ZEB」といった認定マークが記載されるのが特徴です。

これらZEB認定マークを取得しBELS評価を最高ランクまで引き上げることにより、不動産マーケットでの更なる評価向上を期待することができます。

ZEBを取得するメリット

ZEBを取得することで、エネルギー消費量の削減以外にも様々なメリットがあります。

ここでは、ZEBを取得することによるメリットの一部をご紹介します。

テナントリーシングに有利

賃貸物件であれば第三者が省エネ性能を証明している優良物件としてテナントの評価を得ることが可能となり、結果としてリーシングや賃料増額の交渉に有利に働きます

2021年5月付けの一般社団法人日本不動産研究所の不動産投資家調査アンケートでは、ESGに配慮した不動産とそうでない不動産の賃料収入について、10年後は「1〜5%程度高い」と回答した投資家が61.4%と最も高い結果が出ています。

この結果からも、ZEBの評価を得た物件であれば長期的な賃料増加を見込むことが可能だと言えます

 

ZEBを取得するメリット

出典:一般社団法人日本不動産研究所の不動産投資家調査アンケート(有効回答:114社)

 

また、テナント側も特に大手企業であれば、自らの気候変動リスクにつき、TCFD(気候関連財務開示タスクフォース)レポートの開示を行っています。

TCFDレポートでは、自らが事業活動で排出する温室効果ガスの量についても把握する必要があり、入居ビルにも一層の省エネ性能や再エネの導入を要請する傾向が高いです。

つまり、ZEBを取得するなど、ビルの省エネ性能をアピールすることで、優良テナントが入居するきっかけになります

不動産価値の向上

ESG投資に適した不動産とそうでない不動産の利回りについて、10年後は「-10bp(-0.1%)価格が高い方向」と回答する投資家が47.3%と最も多い結果が出ています。

さらに、投資家の23.2%は「-20bp(-0.2%)」、投資家の10.7%は「-30bp(-0.3%)」、利回りが減少(価格は値上がり)すると回答されています。

-10bp〜-30bpの利回り低減は、金額が大きい不動産であれば、大きな価格インパクトになります。

 

不動産価値の向上

出典:一般社団法人日本不動産研究所の不動産投資家調査アンケート(有効回答:112社)

 

持続可能な企業経営が促進

ZEBの認定を受けた建物は、災害等の非常時において必要なエネルギー需要を削減することができます

更に再生可能エネルギーの活用により、部分的ではあってもエネルギーの自立を図ることが可能です

最新鋭のビルであれば2〜3日程度の非常用発電設備が備わっている為、より災害に強い建物となり、地域の防災拠点としての活用や、有事の際の避難場所として活用することで地域貢献にも繋がります。

建築物には、ビルオーナーやテナント、ビルに訪れる人や地域住民など、様々な立場の利害関係者が存在します。ZEB化によって、各種利害関係者に対し多くのポジティブな影響を与えることができるのです。

企業のブランド価値向上

ZEBを取得することで、社内外からの評価を得ることができます。しかし、「省エネ」と「創エネ」を組み合わせ、エネルギー収支ゼロを目指すことはかなり難易度の高い取り組みです

設備投資額や工事期間を踏まえても、ZEBを取得することは企業として負担が大きいため、経営的に相当な覚悟が必要だと言えます。

しかし、そのようなZEBの取得に強くコミットすることによって、地球温暖化対策に強い関心があることを社内外に表明することができ、企業のブランド価値向上に繋がります

ZEBの制度を指針としたESG経営を行いつつ、SDGsに配慮した不動産経営を遂行することは、多くの方からの自社への見方を変えるきっかけとなるでしょう。

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ZEBの種類と特徴

ZEBには外壁などの性能の基準はなく、消費するエネルギー量を太陽光発電設備などから発電される再生可能エネルギーからどの程度賄えるかによって4つの種類に分かれます。

  • ZEB
  • Nearly ZEB
  • ZEB Ready
  • ZEB Oriented

ZEBに種類があるのは、土地や屋根の形状で、太陽光発電設備の設置が難しい物件や、晴天が少ない地域に所在する建物でも評価ができるようにするためです。

以下で、4つのZEBについて詳細を解説していきます。

ZEBには4つの種類がある

ZEBの種類は「ZEB」「Nearly ZEB」「ZEB Ready」「ZEB Oriented」の4つです

複数の種類の中で最も要件が厳しいのが「ZEB」です。年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロもしくはマイナスの建築物と定義されています。

カウントできる再生可能エネルギー量の対象は敷地内に限定し、自家消費分に加え売電分も含まれるのが特徴です。(他のZEB種類も同様)

ZEBに限りなく近い建築物として、後述するZEB Readyの要件を満たしつつ、再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量をゼロに近付けた建築物が「Nearly ZEB」です。

ZEBを見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた建築物を「ZEB Ready」として評価します。

判断基準としては、再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量削減に適合した建築物となります。

最後に「ZEB Oriented」とは、「ZEB」化が難しい大規模な建築物を対象としたもので、「Oriented」=「指向する」と訳すように、将来「ZEB」を指向しているビルのことを指します。

ZEB各種の基準まとめ

上記の通り、ZEBには4つの種類があり、特徴を比較すると下図のようになります

再生可能エネルギーを見込まない数値と、見込んだ数値の2つの指標があるのは、消費するエネルギー量を減らしつつ、太陽光発電設備を設置してエネルギー収支をゼロに近付けることを目的としているからです。

 

ZEBの種類
名称 基準値からの削減率(※1) 備考
再生可能エネルギー
見込まない数値 見込んだ数値
ZEB 50%以上の削減 100%以上の削減 ・太陽光発電設備の導入は必須
Nearly ZEB 75%以上100%未満の削減
ZEB Ready 設定なし ・太陽光発電設備の未導入も可能
ZEB Oriented ・用途1(※2) 40%以上の削減

・用途2(※3) 30%以上の削減
設定なし ・太陽光発電設備の未導入も可能
・建築物(非住宅部分)の延べ面積が10,000㎡以上かつ未評価技術を導入

※1:削減率={(基準一次エネルギー消費量)ー(設計一次エネルギー消費量)}➗(基準一次エネルギー消費量)✖️100

※2:用途1)事務所等、学校等、工場等

※3:用途2)ホテル等、病院等、百貨店等、飲食店等、集会所等

令和4年度のZEB化に関する補助金・助成金

ZEB取得の際には、補助金を活用することが可能です

ZEBを取得するためには、大幅な省エネ実現と再エネの導入を行う必要があり、相当な費用負担が発生します。

そのため、ZEBを取得する際には補助金利用が欠かせません。

ここでは、ZEBを取得するために利用したい令和4年度の補助金について2つご紹介します。

以下情報は2022年の8月時点の情報であるため、最新の情報が知りたい方は各団体に問い合わせてみてください。

 

関連省庁/補助金名称 予算 概要 公募期間

国土交通省/既存建築物省エネ化推進事業

66.29億円 民間事業者等が行う省エネルギー改修工事や省エネルギー改修工事に加えて実施するバリアフリー改修工事に対し、国が事業の実施に要する費用の一部を支援する。 令和4年6月1日~6月30日
経済産業省/住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業 80.9億円 大幅な省エネ実現と再エネの導入により、ZEH・ZEBなど、新たなモデルの実証を支援する制度。

次世代省エネ建材の実証支援も補助金対象に含まれる。
令和4年6月1日~8月19日
環境省/建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業 55億円 新築建物や既存建物のZEB化支援に力を入れた制度で、再生可能エネルギー設備や蓄電池等を導入し、停電時にもエネルギー供給が可能である設備導入を図るもの。

換気機能等の感染症対策も備えた事業者も支援する。
令和4年6月6日~7月15日
(1)新築建築物のZEB化支援事業
(2)既存建築物のZEB化支援事業
(3)既存建築物における省CO2改修支援事

この他にも、各行政機関により多くの補助金・助成金制度が設けられています。

ぜひ状況と照らし合わせて、補助金の活用も検討してみてください

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