東京都内で家を建てる予定で、住宅会社から「東京ゼロエミ住宅にすると補助金が出ますよ」と提案された方も多いのではないでしょうか。東京ゼロエミ住宅は、都が独自に定めた高い省エネ性能の基準を満たす新築住宅で、認証を受ければ戸建住宅で最大240万円の助成を受けられます。
ただし、助成を受けるには工事の着工前に手続きが必要で、国の補助金との組み合わせにもルールがあります。この記事では、令和8年度(2026年度)の制度にもとづいて、水準A・B・Cの基準と助成額、太陽光発電などの上乗せ、試算例、申請の流れと期限、他の補助金との併用ルールまでをわかりやすく解説します。
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この記事でわかること
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※本記事は、東京都・クール・ネット東京(東京都環境公社)の公表資料にもとづき、2026年10月時点の情報で作成しています。予算の状況や要件は変わることがあるため、申請前に必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。
東京ゼロエミ住宅とは|制度の目的と概要
東京ゼロエミ住宅とは、高い断熱性能をもつ断熱材や窓、高効率な照明・空調・給湯設備などを備えた、東京都独自の省エネ住宅の基準です。名称の「ゼロエミ」は「ゼロエミッション(温室効果ガスの排出ゼロ)」に由来します。住宅を含む建築分野は、国内の二酸化炭素排出量の約3分の1を占めるとされています。都は2050年のゼロエミッション東京の実現に向けて、新築住宅の省エネ性能を高めるために、この基準と助成制度を設けています。
「認証制度」と「助成制度」の2つで成り立っている
東京ゼロエミ住宅の制度は、住宅が都の基準を満たしているかを確認する「認証制度」と、認証を受けた住宅の建築費の一部を助成する「助成制度」の2つで構成されています。認証は都に登録された認証審査機関が行い、助成の手続きはクール・ネット東京(東京都環境公社)が窓口です。助成を受けるには、両方の手続きをそれぞれの期限までに行う必要があります。
対象となる住宅と申請者
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項目 |
内容 |
|---|---|
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対象となる住宅 |
都内に新築する住宅(戸建住宅・集合住宅等)で、床面積の合計が2,000㎡未満のもの |
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申請できる人 |
新築住宅の建築主(個人・事業者のどちらも可)。太陽光発電設備などをリースで設置する場合は、リース等事業者も対象 |
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主な要件 |
「東京ゼロエミ住宅の認証に関する要綱」にもとづく設計確認と認証を受けていること |
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対象外 |
中古住宅の購入、既存住宅のリフォーム、オフィスや店舗などの非住宅(建て替えによる新築は対象) |
出典:東京都「令和8年度 東京ゼロエミ住宅の新築に対する助成事業」をもとに作成
建売住宅(分譲住宅)の場合は、建築主である住宅事業者が申請して助成を受けるのが一般的です。購入者が自分で申請するものではない点に注意してください。
2025年4月からの「太陽光発電の設置義務化」との関係
東京都では2025年4月から、大手住宅供給事業者などを対象に、新築住宅への太陽光発電設備の設置などを求める「建築物環境報告書制度」が始まりました。この制度で義務を負うのは住宅を供給する事業者で、施主一人ひとりに設置が義務付けられたわけではありません。
一方、東京ゼロエミ住宅では、屋根の面積が小さい住宅などを除き、太陽光発電などの再生可能エネルギー設備の設置が原則として要件になっています。設置容量や発電量の指定はありませんが、パワーコンディショナの設置が必要で、ポータブル型のような簡易なパネルは認められません。屋根が狭く物理的に設置できない住宅は、要件の対象外です。太陽光を載せる家づくりをするなら、ゼロエミ住宅の助成とあわせて検討する価値があります。
▶ あわせて読みたい:東京都建築物環境計画書とは?令和7年度の改正点や3段階評価を解説
【早見表】令和8年度の助成額と水準A/B/Cの基準
水準ごとの性能基準
東京ゼロエミ住宅には、性能の高い順に水準A・B・Cの3段階があります。それぞれ、断熱性能(UA値)と省エネ性能(一次エネルギー消費量の削減率)の両方を満たす必要があります。
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水準 |
断熱性能 外皮平均熱貫流率(UA値) |
省エネ性能(戸建住宅) 省エネ基準からの削減率 |
省エネ性能(集合住宅等) 省エネ基準からの削減率 |
|---|---|---|---|
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水準A |
0.35以下 |
45%以上 |
40%以上 |
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水準B |
0.46以下 |
40%以上 |
35%以上 |
|
水準C |
0.60以下 |
30%以上 |
30%以上 |
※UA値の単位はW/㎡K。削減率は太陽光発電などの再生可能エネルギーを除いて算定。このほか、再エネ設備の原則設置などの要件があります。出典:東京都環境局「東京ゼロエミ住宅 令和6年度制度改正の概要」(令和6年10月施行の基準)をもとに作成
UA値は、家全体からどれだけ熱が逃げにくいかを示す数値で、小さいほど断熱性能が高くなります。削減率は、国の省エネ基準と比べて、冷暖房・給湯・照明などで使うエネルギーをどれだけ減らせるかを示します。どちらも太陽光発電の発電量は含めずに評価するため、家そのものの性能を高める必要があります。
断熱・省エネ以外の主な要件
UA値と削減率のほかにも、東京ゼロエミ住宅には設備などに関する要件があります。主なものは次のとおりです。
- 太陽光発電・太陽熱・地中熱などの再生可能エネルギー設備を原則として設置する(屋根の面積が小さい住宅などは例外)
- 照明は全室LEDなど、高効率な照明設備を採用する
- 高効率な空調設備・給湯設備を設置する
設備の要件の細かな内容は、認証の要綱や認証審査機関の資料で定められています。太陽光発電で自家消費した分は、省エネ性能(削減率)の計算には含めません。断熱と設備の効率で基準を満たしたうえで、太陽光を上乗せするという考え方です。
水準ごとの助成額(住宅建設費)
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水準A |
水準B |
水準C |
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|---|---|---|---|
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戸建住宅 |
240万円/戸 |
160万円/戸 |
40万円/戸 |
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集合住宅等 |
200万円/戸 |
130万円/戸 |
30万円/戸 |
出典:東京都「令和8年度 東京ゼロエミ住宅の新築に対する助成事業」。集合住宅等は、全戸が水準C以上であることが条件で、各戸の水準に応じて助成額が決まります。
水準Cと水準Bでは、助成額に120万円の差があります。どの水準を狙うかで受け取れる金額が大きく変わるため、設計の早い段階で目標の水準を決めておくことが大切です。
国の基準と比べた水準の位置づけ
住宅会社からは「断熱等級」や「ZEH水準」という言葉で説明されることも多いため、国の基準と比べた目安を整理しておきます(東京23区などの6地域の場合)。
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基準 |
UA値(6地域) |
位置づけ |
|---|---|---|
|
省エネ基準(断熱等級4) |
0.87以下 |
2025年4月から新築に適合義務 |
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ZEH水準(断熱等級5) |
0.60以下 |
一次エネルギー消費量の削減率20%以上と組み合わせる |
|
東京ゼロエミ住宅 水準C |
0.60以下 |
断熱はZEH水準と同じ。省エネの削減率は30%以上と、ZEH水準より高い |
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東京ゼロエミ住宅 水準B |
0.46以下 |
断熱等級6に相当 |
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東京ゼロエミ住宅 水準A |
0.35以下 |
断熱等級6と7の間。削減率45%以上 |
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断熱等級7 |
0.26以下 |
国の住宅性能表示制度の最高等級 |
※国の基準値は地域区分で異なり、表は6地域の値です。東京都の多摩地域の一部などは別の地域区分になる場合があります。
▶ あわせて読みたい:【2024年10月】東京ゼロエミ住宅の基準引き上げ|内訳を詳細に解説
令和6年10月の改正で基準と助成額が変わった
東京ゼロエミ住宅の基準と助成額は、令和6年10月1日に大きく改正されました。インターネット上には改正前の「水準1〜3」の情報も残っているため、違いを押さえておきましょう。
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改正前の水準 (戸建の助成額) |
UA値/削減率 |
改正後の水準 (戸建の助成額) |
UA値/削減率 |
|---|---|---|---|
|
- |
- |
水準A(240万円) |
0.35以下/45%以上 |
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水準3(210万円) |
0.46以下/40%以上 |
水準B(160万円) |
0.46以下/40%以上 |
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水準2(50万円) |
0.60以下/35%以上 |
水準C(40万円) |
0.60以下/30%以上 |
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水準1(30万円) |
0.70以下/30%以上 |
(廃止) |
- |
引用:東京都環境局「東京ゼロエミ住宅 令和6年度制度改正の概要」
改正では、最上位の水準Aが新設され、改正前の水準3が水準Bに、水準2が水準Cに移行しました。水準1は廃止されています。あわせて、太陽光発電などの再エネ設備は「可能な限り設置が望ましい」から「原則設置」に変わりました。どの基準と助成額が適用されるかは、設計確認を申請した日で判断されます。
太陽光・蓄電池・V2Hの上乗せ助成
東京ゼロエミ住宅では、住宅建設費の助成に加えて、太陽光発電設備・蓄電池・V2Hの設置費用にも助成が上乗せされます。
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設備 |
助成額 |
備考 |
|---|---|---|
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太陽光発電(3.6kW以下) |
オール電化住宅:13万円/kW(上限39万円) それ以外:12万円/kW(上限36万円) |
未使用品であること |
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太陽光発電(3.6kW超50kW未満) |
オール電化住宅:11万円/kW それ以外:10万円/kW |
50kW以上は対象外 |
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機能性PV(加算) |
1kWあたり1万〜10万円を加算 |
小型・軽量など地域特性に対応した製品 |
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蓄電池 |
10万円/kWh(上限120万円/戸) |
SIIに登録された製品などが対象 |
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V2H |
機器費等の1/2(上限50万円) |
電気自動車等を所有し、太陽光発電を設置している場合は10/10(上限100万円) |
出典:クール・ネット東京「令和8年度 東京ゼロエミ住宅普及促進事業」。陸屋根のマンション等で架台を設置する場合の加算もあります。
令和7年度からの主な変更点
- 機能性PVの加算の上限が、1kWあたり最大8万円から最大10万円に増額
- 蓄電池の助成が、12万円/kWh(上限なし)から10万円/kWh(上限120万円/戸)に変更
蓄電池は、令和8年10月1日以降に設計確認の申請をする場合、令和8年度の登録済み製品の一覧に掲載された製品に限られます。採用予定の製品が対象かどうかを、住宅会社に確認しておきましょう。
【試算】いくらもらえる?モデルケースで比較
水準と設備の組み合わせによって、受け取れる助成額がどれくらい変わるかを試算してみます。いずれも戸建住宅で、設備の容量などは説明用の仮定です。
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モデルケース |
住宅建設費 |
太陽光 |
蓄電池 |
合計 |
|---|---|---|---|---|
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① 水準C+太陽光3kW (オール電化以外) |
40万円 |
36万円 (3kW×12万円) |
- |
76万円 |
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② 水準B+太陽光3kW+蓄電池5kWh (オール電化) |
160万円 |
39万円 (3kW×13万円) |
50万円 (5kWh×10万円) |
249万円 |
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③ 水準A+太陽光3kW+蓄電池10kWh (オール電化) |
240万円 |
39万円 (3kW×13万円) |
100万円 (10kWh×10万円) |
379万円 |
※機能性PVの加算、V2H、区市町村の補助金、国の補助金は含みません。実際の助成額は、交付決定の内容や実際にかかった費用などによって変わります。
このほか、区市町村によっては独自の上乗せ補助があります(後述)。たとえば江東区では、都の東京ゼロエミ住宅の補助金の確定を受けた戸建住宅に、一律30万円を助成しています。
建築コストの増加と比べて判断する
水準を上げるほど、断熱材や窓、設備のグレードが上がり、建築コストも増えます。判断の際は、「水準を上げるための追加費用」と「増える助成額」「光熱費の削減額」「住宅ローン控除などの優遇」を並べて比べるのがおすすめです。住宅会社には、水準ごとの見積もりの差額を出してもらいましょう。
申請の流れとスケジュール
全体の流れ
- 住宅会社に相談し、目標の水準と設備(太陽光・蓄電池など)を決め、設計図書の作成と省エネ計算を行う
- 工事の着工前に、認証審査機関へ設計確認の審査を申請する(設計確認書の交付は着工後になってもよいが、申請は必ず着工前)
- 「東京ゼロエミ住宅設計確認書」が交付される
- 設計確認書の交付日から90日以内に、クール・ネット東京へ助成金の交付申請をする
- 交付決定通知を受ける
- 工事が完了したら、認証審査機関の完了検査を受け、「認証書」の交付を受ける
- 認証書を添えて、クール・ネット東京へ実績報告をする
- クール・ネット東京から助成金の確定通知を受け、指定の口座に入金される
見落としやすい期限と注意点
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手続き |
期限・注意点 |
|---|---|
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設計確認 |
工事の着工前に申請が必要。着工後は申請できない |
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交付申請 |
設計確認書の交付日から90日以内。令和8年度の受付は2027年3月31日(17時)まで。交付申請後は内容を変更できない |
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実績報告 |
認証書の交付日から180日を経過する日、または2028年9月29日のいずれか早い日まで |
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予算 |
令和8年度の予算規模は約462億円。予算の状況によっては、受付期間内でも終了する場合がある |
出典:東京都「令和8年度 東京ゼロエミ住宅の新築に対する助成事業」、クール・ネット東京「令和8年度 東京ゼロエミ住宅普及促進事業」をもとに作成
最も注意したいのは、設計確認を着工前に受けなければならない点です。着工してから「ゼロエミ住宅にしたい」と思っても間に合いません。住宅会社との契約の前後で、ゼロエミ住宅の申請を前提にしたスケジュールになっているかを確認しましょう。
申請は誰が行うのか
助成の申請者は建築主ですが、手続きは住宅会社などの手続代行者が行うのが一般的です。令和8年度は電子申請が原則で、仮受付フォームで登録したうえで交付申請を行います。代行を依頼する場合は、代行費用の有無と金額、申請のスケジュールを事前に確認しておきましょう。建築主は、登録したメールアドレスで審査状況を確認できます。
国・区市町村の補助金との併用ルール
東京ゼロエミ住宅の助成は、国や区市町村の補助金と組み合わせられるものと、組み合わせられないものがあります。制度ごとに整理します。
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制度 |
併用 |
備考 |
|---|---|---|
|
みらいエコ住宅2026事業(ZEH水準住宅への補助) |
可 |
子育て世帯・若者夫婦世帯向けのZEH水準住宅の補助に限る |
|
みらいエコ住宅2026事業(GX志向型住宅への補助) |
不可 |
- |
|
戸建住宅ZEH化支援事業(環境省・SII) |
不可 |
集合住宅のZEH-M支援事業も不可 |
|
地域型住宅グリーン化事業 |
可 |
- |
|
東京こどもすくすく住宅など |
可 |
一部条件あり |
|
クール・ネット東京の太陽光・蓄電池・エコキュート・V2Hなどの助成 |
不可 |
ゼロエミ住宅の上乗せ助成と重複するため |
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区市町村の上乗せ補助 |
制度による |
都の補助の確定を条件とするものが多い |
出典:クール・ネット東京「令和8年度 東京ゼロエミ住宅普及促進事業」の併給可否をもとに作成。最新の併給可否は公式サイトでご確認ください。
国の補助金:みらいエコ住宅2026事業との組み合わせ
国の「みらいエコ住宅2026事業」とは、子育て世帯・若者夫婦世帯向けのZEH水準住宅への補助であれば併用できます。一方、補助額の大きいGX志向型住宅への補助とは併用できません。GX志向型住宅として国の補助を受けるか、東京ゼロエミ住宅として都の助成を受けるかは、金額と要件を比べて選ぶ必要があります。
なお、みらいエコ住宅2026事業のうち、注文住宅の新築をZEH水準住宅として申請する枠は、2026年9月30日で受付を終了しています。国の補助金と組み合わせる場合は、受付状況を必ず確認してください。
▶ あわせて読みたい:【設計・開発担当者必見】知らないと乗り遅れる「GX ZEH(新ZEH)」2027年新基準を徹底解説
区市町村の上乗せ補助
区市町村によっては、東京ゼロエミ住宅に独自の補助を上乗せしています。たとえば江東区では、令和8年度、都の東京ゼロエミ住宅の補助金の確定を受けた戸建住宅に一律30万円を助成しています(申請期間は、都の補助の確定日の翌日から1年間)。制度の有無や金額は自治体ごとに異なるため、建設地の区市町村のホームページを確認しましょう。
不動産取得税の減免
一定の要件を満たす新築の東京ゼロエミ住宅は、「太陽光パネル付きゼロエミ住宅導入促進税制」により、不動産取得税が最大で全額減免される場合があります。減免を受けるには、納税者本人の申請が必要です。
東京ゼロエミ住宅とZEHの違い
東京ゼロエミ住宅と国のZEHは、どちらも一次エネルギー消費量を抑えて、CO2の排出を減らすことを目指す住宅です。ただし、断熱性能(UA値)や省エネ性能(BEI)の基準は、東京ゼロエミ住宅のほうが厳しく設定されています。

引用:東京環境局「東京ゼロエミ住宅令和6年度制度改正の概要」
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項目 |
東京ゼロエミ住宅 |
ZEH |
|---|---|---|
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実施主体 |
東京都 |
国 |
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断熱性能(UA値、6地域) |
水準Cで0.60以下、水準Aで0.35以下 |
0.60以下(ZEH水準) |
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省エネ性能(再エネを除く削減率) |
30〜45%以上(BEI0.70〜0.55) |
20%以上(BEI0.80) |
|
創エネ(太陽光など) |
原則設置(容量の指定なし) |
ZEHでは、再エネを含めて一次エネルギー消費量の収支ゼロ(100%削減)など、数値の要件がある |
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補助金の窓口 |
クール・ネット東京 |
国の補助事業(環境省・SIIなど) |
断熱性能と、再エネを除いた省エネ性能では東京ゼロエミ住宅が上回る一方、創エネについてはZEHのほうが具体的な数値で定められています。両方の基準を満たす住宅を建てることもできますが、補助金の併用にはルールがあるため注意が必要です(後述)。
東京ゼロエミ住宅のメリット・デメリット
メリット
- 戸建住宅で最大240万円の助成に加え、太陽光・蓄電池などの上乗せ助成を受けられる
- 最も低い水準Cでも、省エネ基準と比べて一次エネルギー消費量を30%以上削減でき、冷暖房や給湯の光熱費を抑えやすい。太陽光発電の余剰電力は売電もできる
- 家の中の温度差が小さくなり、夏涼しく冬暖かい快適な住まいになる。部屋間の温度差が小さいため、ヒートショックの予防にもつながる
- CO2の排出を減らし、環境への負荷の軽減に貢献できる
- ZEH水準以上の性能になるため、証明書を取得すれば住宅ローン控除で省エネ性能の高い区分を利用できる可能性がある
- 不動産取得税の減免や、区市町村の上乗せ補助を受けられる場合がある
デメリット・注意点
- 断熱材・窓・設備のグレードが上がり、建築コストが増える
- 高い断熱性能を確保するため、窓の大きさや間取りに制約が出ることがある
- 設計確認・交付申請・実績報告と手続きが多く、期限の管理が必要
- 予算の状況によっては、受付期間内でも助成が終了する場合がある
- 太陽光発電の設置が原則として要件になるため、設備費用やメンテナンスも考える必要がある
▶ あわせて読みたい:ZEHとは?取得のメリットやZEHの種類を紹介、補助金制度についても専門家が徹底解説
水準の選び方と、住宅会社に確認すること
目的別の水準の選び方
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水準 |
こんな人に向いている |
|---|---|
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水準C |
建築コストの増加を抑えつつ、ZEH水準の断熱と都の助成を受けたい人 |
|
水準B |
助成額と性能のバランスを重視したい人。断熱等級6相当の快適性を得たい人 |
|
水準A |
最大の助成額と最高水準の断熱・省エネ性能を求める人。光熱費を長期的に抑えたい人 |
水準Cから水準Bに上げると助成額が120万円増えるため、追加の建築費がそれを下回るなら、水準Bを検討する価値は大きいといえます。住宅会社によって、標準仕様でどの水準まで対応できるかは異なります。
打ち合わせで確認するチェックリスト
☐ 東京ゼロエミ住宅の申請に対応しているか、これまでの実績はあるか
☐ 標準仕様でどの水準を満たせるか。水準を上げる場合の追加費用はいくらか
☐ 設計確認の申請は、着工前のどの時期に行うか
☐ 太陽光発電の容量、オール電化にするかどうか
☐ 蓄電池・V2Hを設置するか。採用予定の製品は助成の対象か
☐ 申請の手続きを代行してもらえるか。代行費用はかかるか
☐ 国の補助金や区市町村の補助金と、どう組み合わせるか
☐ 予算の状況から、申請が間に合うスケジュールになっているか
東京ゼロエミ住宅に関するよくある質問
Q. 建売住宅(分譲住宅)を買う場合も対象ですか?
分譲住宅の場合、助成の申請者は建築主である住宅事業者です。東京ゼロエミ住宅として販売されている物件は、事業者が助成を受けて価格に反映していることがあります。なお、ゼロエミ住宅の助成を受けた分譲住宅を購入した場合、購入者が国の一部の補助金と併給できないことがあるため、販売会社に確認してください。
Q. マンション(集合住宅)も対象ですか?
対象です。床面積の合計が2,000㎡未満の集合住宅等が対象で、全戸が水準C以上であることが条件です。助成額は、各戸の水準に応じて水準Aが200万円、水準Bが130万円、水準Cが30万円です。
Q. 太陽光発電を設置しなくても申請できますか?
再生可能エネルギー設備の設置は原則として要件ですが、屋根の面積が小さい住宅などは例外とされています。例外に当たるかどうかの条件は、認証の要綱で確認するか、住宅会社・認証審査機関に相談してください。
Q. 着工した後でも申請できますか?
できません。設計確認は工事の着工前に申請する必要があります。着工後に申請しようとしても対象外になるため、計画の早い段階で申請の有無を決めておきましょう。
Q. 令和8年度の予算はいつまでありますか?
交付申請の受付期間は2027年3月31日までですが、予算の状況によっては早めに終了する場合があります。申請件数や予算の残額は公表状況が変わるため、クール・ネット東京の公式サイトで最新の情報を確認してください。
Q. 東京ゼロエミ住宅にすると、住宅ローン控除は増えますか?
東京ゼロエミ住宅の基準は、国のZEH水準(断熱等級5・一次エネルギー消費量等級6)以上の性能です。住宅省エネルギー性能証明書や建設住宅性能評価書などでZEH水準以上であることを証明すれば、住宅ローン控除で「ZEH水準省エネ住宅」の区分(2026年・2027年入居の新築で、一般世帯の借入限度額3,500万円、子育て・若者夫婦世帯は4,500万円)を利用できます。
ゼロエミ住宅の認証書そのものが控除の証明書になるわけではないため、必要な証明書を住宅会社に確認してください。
▶ あわせて読みたい:省エネ住宅の証明書とは?住宅ローン控除・補助金で必要な書類を解説
Q. 設計確認や申請に費用はかかりますか?
設計確認・完了検査では認証審査機関の審査手数料がかかり、住宅会社に申請を代行してもらう場合は代行費用がかかることもあります。助成額だけでなく、こうした費用も含めて見積もりを確認しましょう。
Q. どの時点の基準・助成額が適用されますか?
基準の改正があった場合、どの基準・助成額が適用されるかは、原則として設計確認を申請した日で判断されます。たとえば令和6年10月の改正では、令和6年9月30日までに設計確認を申請した住宅には改正前の基準と助成額が、10月1日以降に申請した住宅には新しい基準と助成額が適用されました。
令和8年度も、蓄電池の対象製品は令和8年10月1日以降に設計確認を申請するかどうかで扱いが変わります。
Q. 長期優良住宅やZEHとはどう違いますか?
長期優良住宅やZEHは国の制度で、東京ゼロエミ住宅は都の制度です。東京ゼロエミ住宅は、再生可能エネルギーを除いた省エネ性能(削減率30〜45%以上)を求める点で、国のZEH水準(20%以上)より基準が高く設定されています。それぞれの認定・認証を重ねて取得することもできますが、補助金の併用にはルールがあるため注意が必要です。
まとめ|東京ゼロエミ住宅は「水準の決定」と「着工前の設計確認」が鍵
東京ゼロエミ住宅は、国のZEH水準を上回る断熱・省エネ性能をもつ、東京都独自の住宅の基準です。令和8年度は、戸建住宅で水準Aが240万円、水準Bが160万円、水準Cが40万円の助成を受けられ、太陽光・蓄電池・V2Hの上乗せもあります。
助成を受けるためには、工事の着工前に設計確認を受け、交付申請を設計確認書の交付から90日以内に行う必要があります。国のみらいエコ住宅2026事業や区市町村の補助金との組み合わせも含めて、住宅会社と早めに相談し、狙う水準と申請のスケジュールを決めておきましょう。
東京ゼロエミ住宅の省エネ計算は「環境・省エネルギー計算センター」にご相談ください
東京ゼロエミ住宅の設計確認では、外皮性能(UA値)や一次エネルギー消費量の削減率を示す省エネ計算が欠かせません。水準A・Bを狙う場合は、断熱や設備の仕様を計算で確認しながら決めていく必要があります。
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