長期優良住宅とZEHは、どちらか一方を選ぶものではありません。目的が「長く使える家」と「エネルギー収支ゼロの家」で異なるだけで、併用できます。ただし2026年の補助金は制度名が変わり、世帯要件と申請期限があります。条件を満たさなければ受け取れません。
この記事でわかることは、次の3点です。
- 長期優良住宅とZEHの違いと、併用できる理由
- 2026年の補助金「みらいエコ住宅2026事業」の金額・対象世帯・締切
- 4つの質問に答えるだけで、自分が申請すべき区分が決まる判断フロー
本記事の制度情報は2026年10月時点の公開情報にもとづいています。
結論|長期優良住宅とZEHは「どちらか一方」ではなく併用できる
長期優良住宅は、長く良い状態で住み続けられることを国が認定する制度です。ZEHは、省エネと創エネで年間のエネルギー収支ゼロを目指す住宅です。評価している目的が違うため、両方の要件を満たす家を建てることができます。
違いは3つだけ|創エネ設備・耐震性能・維持保全義務
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比較項目 |
長期優良住宅 |
ZEH |
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目的 |
長く良い状態で住み続けられる家 |
年間のエネルギー収支ゼロを目指す家 |
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創エネ設備 |
不要 |
必要(太陽光発電など) |
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耐震・劣化対策 |
耐震等級2以上、劣化対策等級3など |
要件なし |
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維持保全義務 |
30年以上の点検・記録の計画が必要 |
要件なし |
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省エネ性能 |
断熱等級5・一次エネ等級6(ZEH水準) |
同じ水準(断熱5相当・一次エネ20%削減) |
表のとおり、違いは創エネ設備、耐震・劣化対策、維持保全義務の3点に集約されます。省エネ性能の行は、両者で同じです。
省エネ性能では差がつかない|どちらも断熱等級5・一次エネ等級6
長期優良住宅の省エネ基準は、2022年10月にZEH水準へ引き上げられました。断熱等性能等級5と、一次エネルギー消費量等級6です。一次エネ等級6は、国の基準より消費エネルギーを20%以上減らす水準です。
一方、資源エネルギー庁が定めるZEHの要件も、強化外皮基準(断熱等級5相当)と、再エネを除いて20%以上の削減です。つまり、断熱と省エネ設備の水準は両者で同じです。ZEHだけに求められるのは、太陽光発電などでエネルギーをつくり、収支をゼロにする部分です。
出典:国土交通省「長期優良住宅認定制度の概要」、資源エネルギー庁「ZEHの定義(改定版)<戸建住宅>」
2026年に判断を左右する3つの条件
2026年に補助金を受けるには、3つの条件を確認する必要があります。世帯要件、地域区分、申請期限です。どれか1つを見落とすと、性能を満たしていても補助金を受け取れません。詳細は次の章で解説します。
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【注意】注文住宅のZEH水準住宅は、2026年9月30日で交付申請の受付を終了しました みらいエコ住宅2026事業のうち、注文住宅を新築する場合のZEH水準住宅は、交付申請の期限が2026年9月30日でした。2026年10月以降に申請できるのは、長期優良住宅とGX志向型住宅などです(遅くとも2026年12月31日まで)。いずれも予算の上限に達した時点で、期限前でも受付が終了します。 |
【判断フロー】4つの質問で、申請すべき区分が決まります
補助金の区分は、4つの条件で決まります。世帯、地域区分、解体の有無、締切です。
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実務上の注意点:間取りを決め切る前に、申請区分を決める 設計を固めてから補助金を狙うと、要件を満たすために計画を変更し、追加費用が出ることがあります。長期優良住宅は耐震や劣化対策、GX志向型住宅は断熱等級6以上と、区分ごとに設計の前提が変わります。申請区分は、間取りが固まる前に決めてください。 |
Q1. 子育て世帯または若者夫婦世帯に該当しますか?
いいえの場合は、GX志向型住宅を検討します(「世帯要件に当てはまらない場合の選択肢」の章へ)。はいの場合は、Q2へ進みます。
Q2. 建築地の地域区分は1〜4地域ですか、5〜8地域ですか?
地域区分によって補助額が変わります(「2026年の補助金」の章の補助額表へ)。
Q3. 古家の解体を伴う建替えですか?
はいの場合、長期優良住宅とZEH水準住宅には20万円が加算されます。GX志向型住宅には加算がありません。
Q4. 申請したい区分の締切に間に合いますか?
注文住宅のZEH水準住宅は、2026年9月30日で受付を終了しました。長期優良住宅とGX志向型住宅は、遅くとも2026年12月31日までです。ただし、予算の上限に達した時点で早期に終了します。
自分の土地の地域区分を調べる方法
地域区分は、気候の違いで全国を1〜8に分けたものです。寒い地域ほど数字が小さくなります。区分は市区町村単位で決まっており、建築研究所の「地域の区分・年間の日射地域区分の検索ツール」で調べられます。同じ県内でも区分が分かれることがあるため、必ず建築地の市区町村名で確認してください。
2026年の補助金|みらいエコ住宅2026事業でいくらもらえるか
2026年度の新築住宅の補助金は、「みらいエコ住宅2026事業」です。国土交通省が実施する補助事業(※経済産業省・環境省と連携する『住宅省エネ2026キャンペーン』の柱の一つ)で、長期優良住宅は75〜80万円、ZEH水準住宅は35〜40万円が補助されます。
制度名が毎年変わる|子育てエコホーム → 子育てグリーン → みらいエコ住宅2026
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年度 |
事業名 |
ポイント |
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2024年度 |
子育てエコホーム支援事業 |
長期優良住宅・ZEH住宅を支援 |
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2025年度 |
子育てグリーン住宅支援事業 |
GX志向型住宅の区分を新設 |
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2026年度 |
みらいエコ住宅2026事業 |
補助額に地域区分による差を導入 |
旧制度名で検索すると、過去の金額や条件が表示されます。2026年に家を建てるなら、必ず「みらいエコ住宅2026事業」の条件で確認してください。
補助額は住宅の区分と地域区分で決まる
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住宅区分 |
5〜8地域 |
1〜4地域 |
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GX志向型住宅 |
110万円/戸 |
125万円/戸 |
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長期優良住宅 |
75万円/戸 |
80万円/戸 |
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ZEH水準住宅 |
35万円/戸 |
40万円/戸 |
長期優良住宅とZEH水準住宅は、古家の解体を伴う建替えで20万円が加算されます。GX志向型住宅には加算がありません。
長期優良住宅とZEH水準住宅は「子育て世帯・若者夫婦世帯」限定
長期優良住宅とZEH水準住宅の補助は、すべての世帯が対象ではありません。対象は、子育て世帯と若者夫婦世帯に限られます。子育て世帯は、申請時点で18歳未満の子がいる世帯です。若者夫婦世帯は、申請時点で夫婦のいずれかが39歳以下の世帯です。
GX志向型住宅だけは、世帯を問わず対象になります。子育て世帯にも若者夫婦世帯にも当てはまらない場合は、次の章「世帯要件に当てはまらない場合の選択肢」をご覧ください。
申請期限と予算の残り|「年度末まである」は誤り
補助金は、予算の上限に達した時点で受付を終了します。期限が12月31日でも、それまで受け付けるとは限りません。
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実務上の注意点:補助金は予算の椅子取りゲーム 申請は工事の進み具合に応じて住宅会社が行うため、施主が気づかないうちに予算が埋まることがあります。打ち合わせのたびに、公式サイトの予算消化率を確認してください。 |
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区分(予算額) |
予算に対する申請額の割合 |
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GX志向型住宅(750億円) |
約60%(2026年9月29日時点) |
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長期優良住宅・ZEH水準住宅(1,450億円) |
4割弱(2026年9月下旬時点) |
出典:みらいエコ住宅2026事業【公式】予算に対する補助金申請額の割合。数値は執筆時点の概算値です。最新の消化状況は公式サイトで確認してください。
世帯要件に当てはまらない場合の選択肢|GX志向型住宅
GX志向型住宅は、すべての世帯が対象です。補助額も最大で、5〜8地域で110万円、1〜4地域で125万円です。ただし、性能要件は3区分の中で最も厳しくなります。
主な要件は、断熱等性能等級6以上です。再エネを除く一次エネルギー消費量の削減率は35%以上が必要です。再エネを含めた削減率は100%以上(寒冷地などは緩和あり)で、HEMSの導入も求められます。そのため、太陽光発電などの導入が原則として前提になります。
もう1つの前提は、建築事業者です。GX志向型住宅を申請できるのは、GXの推進に協力することを表明した事業者に限られます。依頼先が対応しているか、契約前に確認してください。
性能を上げるほど、断熱材や窓、設備の費用が増えます。屋根の形や日当たりによっては、太陽光発電の効果も限られます。補助額だけで判断せず、追加費用との差で検討してください。
長期優良住宅とは|長く使えることを国が認定する制度
長期優良住宅は、長期優良住宅法にもとづく認定制度です。耐震性、劣化対策、維持保全などの基準を満たし、所管行政庁(都道府県や市)の認定を受けた住宅を指します。
認定に必要な主な条件
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項目 |
主な基準 |
対象 |
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劣化対策 |
劣化対策等級3(3世代程度の使用を想定) |
戸建・共同 |
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耐震性 |
耐震等級2以上 |
戸建・共同 |
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省エネルギー性 |
断熱等級5・一次エネ等級6 |
戸建・共同 |
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維持管理・更新の容易性 |
維持管理対策等級3 |
戸建・共同 |
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住戸面積 |
戸建は75㎡以上(少なくとも1の階が40㎡以上 ※階段部分を除く)、共同住宅は40㎡以上 |
戸建・共同 |
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居住環境・災害配慮 |
地域の景観や災害リスクへの配慮 |
戸建・共同 |
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維持保全計画 |
30年以上の点検・補修の計画 |
戸建・共同 |
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可変性・高齢者等対策 |
間取り変更の容易さ、共用部のバリアフリー |
共同住宅のみ |
耐震性は、2025年4月の壁量基準の見直しに合わせて整理されました。現在は、計算方法を問わず耐震等級2以上が基準です。以前は、2階建て以下の木造で壁量計算をする場合に等級3を求める暫定措置がありました。「長期優良住宅には耐震等級3が必須」という説明は、この暫定措置の時期の情報です。
▶ あわせて読みたい:長期優良住宅の耐震等級の改正はいつから?新基準や計算方法を解説
等級2は基準ですが、等級3を目指す価値もあります。2016年の熊本地震では、益城町中心部で震度7を2回観測しました。それでも、耐震等級3の木造住宅の多くは無被害でした。耐震等級は地震保険料にも関わります。耐震等級割引は、等級2で30%、等級3で50%です。

※ 出典:「耐震性能を等級で確認して、安心の住まいづくり」|国土交通省
認定は取得して終わりではない|30年以上の維持保全義務
長期優良住宅は、認定を受けた後も義務が続きます。維持保全計画に沿って、定期的な点検と必要な補修を行います。点検は少なくとも10年ごとに行い、その記録を保存します。所管行政庁から状況の報告を求められることもあります。

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実務上の注意点:認定は資格ではなく、約束に近い 認定を受けると、30年以上にわたって点検と記録の保存を続けることになります。点検の費用や手間も、取得前に見込んでおいてください。「後悔した」という声の多くは、この継続的な負担を知らずに取得したことが原因です。 |
ZEHとは|省エネと創エネでエネルギー収支ゼロを目指す住宅
ZEH(ゼッチ)は、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略です。断熱の強化、高効率な設備、再生可能エネルギーの導入を組み合わせます。そのうえで、年間のエネルギー収支をゼロ以下にすることを目指す住宅です。

※ 出典:【参考】住宅における外皮性能|国土交通省
ZEHの4つの要件
資源エネルギー庁が定めるZEHの要件は、次の4つです。
- 強化外皮基準を満たす:壁や窓の断熱性能を、地域ごとの基準(UA値)まで高めます。断熱等級5相当です。
- 再エネを除いて20%以上削減する:太陽光に頼らず、設備の省エネだけで基準から20%以上減らします。
- 再生可能エネルギーを導入する:太陽光発電などで、エネルギーをつくります。
- 再エネを含めて100%以上削減する:2と3を合わせて、収支をゼロ以下にします。
なお、断熱等級6以上が必須になるのは、上位区分のZEH+(令和7年度以降の定義)です。ZEHそのものは、断熱等級5相当で要件を満たせます。
太陽光発電が必須になる理由
要件4の「100%以上の削減」は、省エネだけでは達成できません。家で使うエネルギーをゼロにはできないためです。そのため、太陽光発電などでエネルギーをつくり、使う分を相殺する必要があります。ZEHと長期優良住宅を分ける最大の違いは、この創エネ設備の有無です。
▶ あわせて読みたい:ZEHとは?取得のメリットやZEHの種類を紹介、補助金制度についても専門家が徹底解説
混同注意|「ZEH」と「ZEH水準省エネ住宅」は別物です
営業担当者から「ZEH水準です」と説明されることがあります。ZEH水準は、ZEHとは別の言葉です。創エネ設備がなくても達成できる、性能の水準を指します。
違いは創エネ設備の有無だけ
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項目 |
ZEH水準省エネ住宅 |
ZEH |
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断熱等級5(強化外皮基準) |
必要 |
必要 |
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一次エネ等級6(20%以上削減) |
必要 |
必要 |
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再生可能エネルギーの導入 |
不要 |
必要 |
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再エネを含めた100%以上の削減 |
不要 |
必要 |
ZEH水準は、ZEHの4要件のうち前半の2つ(断熱と省エネ)を満たした状態です。ZEHは、そこに創エネを加えた住宅です。長期優良住宅の省エネ基準も、このZEH水準と同じです。
住宅ローン控除では「ZEH水準」で適用される
住宅ローン控除の区分は「ZEH水準省エネ住宅」です。太陽光発電を載せなくても、断熱等級5と一次エネ等級6を満たせば対象になります。ZEHにしても、控除の区分はZEH水準と同じです。
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実務上の注意点:太陽光を載せない選択肢を最初から捨てない 屋根の形や向き、周囲の建物の影によっては、太陽光発電の投資回収が見合わないことがあります。その場合、創エネなしでZEH水準を満たし、住宅ローン控除を受けるという判断も合理的です。減税と補助金の要件を分けて考えてください。 |
▶ あわせて読みたい:省エネ住宅の証明書とは?発行方法や費用をわかりやすく解説
性能・費用・デメリットで比較|どちらを選ぶと何が変わるか
省エネ性能は同じです。差は、創エネ設備の費用と、耐震・維持保全の義務に集約されます。
性能基準の比較
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基準 |
長期優良住宅 |
ZEH |
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省エネ |
断熱等級5・一次エネ等級6 |
断熱等級5相当・20%以上削減 |
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耐震 |
耐震等級2以上 |
要件なし |
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劣化対策 |
劣化対策等級3 |
要件なし |
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維持保全 |
30年以上の計画と点検 |
要件なし |
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創エネ |
要件なし |
再エネ導入・100%以上削減 |
費用の比較|申請費用の内訳と追加建築費
費用は、次の4つの層に分けて確認します。
- 認定申請の手数料:長期優良住宅の認定を所管行政庁に申請する手数料です。金額は自治体ごとに定められています。
- 申請書類の作成代行費:住宅会社や設計事務所に支払う費用です。公定価格はありません。
- 証明書の取得費:登録住宅性能評価機関による「長期使用構造等であることの確認(長期使用構造等確認)」やBELS評価などの審査費用です。機関ごとの料金表で決まります。
- 性能を上げるための追加建築費:耐震や断熱の強化、太陽光発電の設置などです。仕様によって大きく変わります。
このうち2と4は、住宅会社によって差が大きい費用です。見積書の「長期優良住宅申請費用」や「ZEH対応費」が一式になっている場合は、4つの層に分けた内訳の提示を求めてください。
「長期優良住宅はいらない」と言われる理由
「いらない」と言われる主な理由は3つです。申請の費用と手間がかかること、30年以上の維持保全義務が続くこと、そして補助金の世帯要件で対象外になる場合があることです。一方で、住宅ローン控除の借入限度額は最も大きく、登録免許税や固定資産税などの軽減も受けられます(適用期限あり)。費用と優遇を並べて判断することが大切です。
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実務上の注意点:「標準仕様で取れます」は「申請します」ではない 長期優良住宅の基準を満たす設計であることと、認定を取得することは別の工程です。認定は、着工前に所管行政庁へ申請して受ける必要があります。「標準仕様で取れます」と言われたら、「認定申請まで行いますか」と確認してください。 |
長期優良住宅とZEH、それぞれに向いている人
どちらが優れているかではなく、何を重視するかで選び分けます。
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重視すること |
長期優良住宅が向いている |
ZEHが向いている |
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住まい方 |
住み替えず、長く住み続けたい |
毎月の光熱費を抑えたい |
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性能 |
耐震性や劣化対策まで含めて質を上げたい |
省エネと創エネに投資を集中したい |
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費用・税制 |
借入額が大きく、控除や税の軽減を最大化したい |
売電や自家消費で投資を回収したい |
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スケジュール |
認定手続きの時間を確保できる |
屋根に十分な日射があり、太陽光を載せられる |
両方を満たす設計にすれば、長く住める性能と光熱費の削減を同時に得られます。補助金は1区分ですが、性能のメリットは重ねて得られます。
▶ あわせて読みたい:長期優良住宅の仕様完全ガイド|8つの認定基準を等級・数値で徹底解説
住宅ローン控除|2026年入居の借入限度額は区分でここまで違う
補助金は世帯要件で対象が絞られます。一方、住宅ローン控除は、子育て世帯でなくても省エネ性能に応じて適用されます。
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住宅の区分 |
一般世帯 |
子育て世帯・若者夫婦世帯 |
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認定長期優良住宅・低炭素住宅 |
4,500万円 |
5,000万円 |
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ZEH水準省エネ住宅 |
3,500万円 |
4,500万円 |
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省エネ基準適合住宅 |
2,000万円 |
3,000万円 |
※2026〜2027年入居の新築。控除率0.7%、控除期間は原則13年。出典:国土交通省「住宅ローン減税」(令和8年度税制改正)
省エネ基準適合住宅の借入限度額は、2026年入居分から1,000万円引き下げられました。さらに、2028年以降に建築確認を受ける新築の省エネ基準適合住宅は、原則として控除の対象外になります。
住宅ローン控除の子育て世帯・若者夫婦世帯は、19歳未満の扶養親族がいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯です。入居した年の12月31日時点で判定します。補助金の「18歳未満・39歳以下」とは基準が違います。
モデルケース試算|6地域・子育て世帯・建物3,200万円の場合
同じ条件で、区分ごとに受け取れる優遇を比べます。条件は、6地域(東京など)、子育て世帯、解体なし、注文住宅、建物3,200万円、借入3,000万円です。2026年10月以降に交付申請する想定です。
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区分 |
補助金(みらいエコ) |
控除の借入限度額 |
初年度の控除額(上限) |
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GX志向型住宅 |
110万円 |
4,500万円 |
21万円 |
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長期優良住宅 |
75万円 |
5,000万円 |
21万円 |
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ZEH水準住宅 |
受付終了(9月30日) |
4,500万円 |
21万円 |
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省エネ基準適合住宅 |
対象外 |
3,000万円 |
21万円 |
※GX志向型住宅の控除区分はZEH水準省エネ住宅として試算。初年度の控除額は、借入3,000万円×0.7%の上限値です。
この条件では、借入額がどの区分の限度額も超えないため、初年度の控除額は同じです。差がつくのは補助金で、GX志向型住宅と長期優良住宅の間には35万円の差があります。借入額が大きい場合は、限度額の差が控除額の差になります。一般世帯なら、省エネ基準適合住宅の上限は2,000万円で、初年度の上限は14万円です。
この試算は優遇制度の受取額の比較で、性能を上げるための追加建築費は含みません。実際の控除額は、年末のローン残高と、その年の所得税・住民税の額が上限になります。
打ち合わせで確認すべき7つの質問
次の7つを、住宅会社の担当者に確認してください。この一覧だけを家族と共有しても、確認すべきことが伝わるようにまとめています。
☐ 御社はみらいエコ住宅事業の事業者として登録済みですか
☐ 建築予定地の地域区分は何地域ですか
☐ 長期優良住宅の認定申請は行いますか。認定通知書は取得できますか
☐ 申請費用と証明書の取得費は、見積のどこに含まれていますか
☐ 希望する区分の交付申請には間に合いますか
☐ 長期優良住宅とZEHの併用は、この設計で可能ですか
☐ 補助金が予算上限で受けられなかった場合、契約はどうなりますか
よくある質問(FAQ)
Q. 長期優良住宅とZEHの補助金は併用できますか
原則として併用できません(1つの住宅につき、いずれか1つの補助金のみ受給可能です)。 まず「みらいエコ住宅2026事業」の中では、1住戸につき「長期優良住宅(75〜80万円)」または「ZEH水準住宅(35〜40万円)」のどちらか1つの区分のみ申請できます。
また、経済産業省・環境省が実施する「戸建住宅ZEH化等支援事業(ZEH補助金)」と、みらいエコ住宅2026事業を組み合わせることも、国の財源(国費)が重複するため併用できません。どちらの補助金を利用するか、補助額や要件を比較して選択する必要があります(※住宅ローン減税などの税制優遇は補助金と併用可能です)。
Q. 低炭素住宅、省エネ基準適合住宅とは何が違いますか
認定低炭素住宅は、ZEH水準の省エネ性能に加え、再エネ設備の導入などを満たして認定を受けた住宅です。住宅ローン控除では長期優良住宅と同じ「認定住宅」の区分になります。省エネ基準適合住宅は、2025年4月から義務化された最低限の水準(断熱等級4・一次エネ等級4)を満たす住宅です。
▶ あわせて読みたい:認定低炭素住宅(エコまち法)の新基準について専門家が徹底解説
Q. 2030年に省エネ基準が義務化されると、今の認定は無駄になりますか
無駄にはなりません。2025年4月に義務化されたのは、断熱等級4・一次エネ等級4の省エネ基準です。ZEH水準の義務化は、2030年度を目標とする国の方針です。長期優良住宅やZEHは今の時点でZEH水準を満たしているため、将来の最低水準を先取りしていることになります。
▶ あわせて読みたい:【設計・開発担当者必見】知らないと乗り遅れる「GX ZEH(新ZEH)」2027年新基準を徹底解説
Q. 認定を取ると、着工後に間取りを変更できなくなりますか
変更はできますが、手続きが必要です。長期優良住宅の認定を受けた計画を変更する場合は、変更の内容に応じて変更認定の申請などを行います。補助金の申請後は、プランの変更が制限される場合もあります。
Q. 自治体の補助金と国の補助金は併用できますか
自治体によって扱いが異なります。国の補助と自治体の助成で、併給できない組み合わせもあります。建築地の自治体の制度要綱で、国の補助金との関係を確認してください。
Q. 長期優良住宅の認定申請は、施主が自分で行えますか
制度上は、建築主である施主が申請者になります。ただし、設計図書や計算書など専門的な書類が必要なため、実際には住宅会社や設計事務所が代理で手続きを行うのが一般的です。
まとめ|違いを理解したら、次は締切から逆算する
長期優良住宅とZEHは併用できます。省エネ性能は同じで、違いは創エネ設備、耐震・劣化対策、維持保全義務の3点です。2026年の補助金は「みらいエコ住宅2026事業」で、長期優良住宅とZEH水準住宅は子育て世帯・若者夫婦世帯に限られます。
申請区分は、判断フローの4つの質問で決まります。次の打ち合わせでは、7つの質問の一覧を手元に置き、申請区分と締切を担当者と確認してください。
長期優良住宅・ZEHの省エネ計算は「環境・省エネルギー計算センター」にご相談ください
長期優良住宅にもZEHにも、省エネ性能が基準を満たすことを示す計算結果が必要です。省エネ計算をはじめ、省エネ適判や住宅性能評価など手間のかかる業務は外注し、自社のリソースをコア業務に集中させれば、円滑な計画進行が期待できます。
累計3,000棟以上の省エネ計算実績、リピート率93.7%、審査機関との質疑応答まで丸ごと外注できる「環境・省エネルギー計算センター」に、ぜひご相談ください。
※専門的な内容となりますので、個人の方は設計事務所や施工会社を通してご依頼をお願いいたします。
※本記事の内容は2026年10月1日時点の公開情報にもとづいています。補助金制度は予算の消化状況により受付が早期終了する場合があり、税制は改正される可能性があります。申請にあたっては、各事業の公式サイトおよび所管行政庁で最新情報をご確認ください。本記事は特定の住宅会社や商品の購入を推奨するものではありません。



