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フラット35・フラット35Sとは?企業が住宅購入者にフラット35を利用してもらうための評価方法を徹底解説【2023年】

フラット35とは、住宅金融支援機構による「全期間固定金利型」の住宅ローンのことを指します。

またフラット35Sは、フラット35の申込者が省エネルギー性・耐震性などを備えた質の高い住宅を取得する場合に利用できる金利優遇プランのことです。

この記事では、フラット35及びフラット35Sの概要や技術基準、企業が住宅購入者にフラット35を利用してもらうための3つの評価方法について解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

フラット35とは

フラット35とは「全期間固定金利型」の住宅ローンのことです。

住宅ローンの金利タイプには、大きく分けて3種類あります。

その1つが、フラット35のようにローン借入期間中の金利変動がない「全期間固定金利型」です。

その他、金利が変動する「変動金利型」や、借入れ当初のみ固定金利でその後変動金利になる「固定金利期間選択型」があります。

「全期間固定金利型」は借入期間中に金利が変わらないため、返済計画が立てやすいのが特徴です。

全期間固定金利型の住宅ローンであるフラット35は、全国300以上の金融機関が「住宅金融支援機構」と提携して取り扱っています。

フラット35を利用したい場合には、取り扱っている金融機関への申し込みが必要です。

申し込みは、申込者本人または親族が住むための新築住宅の建設・購入資金や、中古住宅の購入資金が必要な場合に行えます。

なおフラット35の金利や手数料は一律ではなく、各金融機関で異なる点には注意しなければなりません。

出典:住宅金融支援機構 【フラット35】ホームページ「初めての方へ

フラット35Sとは

フラット35Sとは、フラット35の借入金利を一定期間引き下げて優遇する制度です。

フラット35の申込者が、省エネルギー性・耐震性などを備えた質の高い住宅を取得する場合に利用できます。

具体的な金利の引き下げメニューは、以下の通りです。

 

金利引下げメニュー 金利引下げ期間 金利引下げ幅
【フラット35】S(ZEH) 当初5年間 年▲0.5%
6年から10年目まで 年▲0.25%
【フラット35】S(金利Aプラン) 当初10年間 年▲0.25%
【フラット35】S(金利Bプラン) 当初5年間

住宅の技術基準レベル(質の高さ)は、ZEH基準を満たすメニューが最も高く、金利引下げ幅も▲0.5%と大きく設定されています。

フラット35Sの対象となる4分野の住宅性能

フラット35Sの対象には、以下4分野の住宅性能のうち少なくとも1つ以上で、一定の技術基準を満たす必要があります。

  • 省エネルギー性に優れた住宅
  • バリアフリー性に優れた住宅
  • 耐震性に優れた住宅
  • 耐久性・可変性に優れた住宅

技術基準を満たすかどうかの判断は、検査機関による物件検査で確認する他、住宅金融支援機構に建築基準法に基づく検査済証を提示することなどが必要です。

それでは住宅性能の4分野について、概要や満たすべき技術基準を解説します。

省エネルギー性に優れた住宅

「省エネルギー性に優れた住宅」とは、高い水準の断熱性などを実現した住宅のことです。

夏は涼しく冬は暖かい室内環境により、冷暖房費を抑えられます。

フラット35Sの金利Aプラン及びBプランにおける満たすべき技術基準は、以下の通りです。

 

金利引下げメニュー 省エネルギー性の技術基準(住宅性能表示制度の評価等級)
【フラット35】S(金利Aプラン) [断熱等性能等級5以上]かつ[一次エネルギー消費量等級6]
【フラット35】S(金利Bプラン) ・[断熱等性能等級4]かつ[一次エネルギー消費量等級6]
・[断熱等性能等級5以上]かつ[一次エネルギー消費量4または5]
上記のいずれかを満たす場合

上記の通り、住宅性能表示制度における[断熱等性能等級]及び[一次エネルギー消費量等級]について、一定基準が求められます。

バリアフリー性に優れた住宅

「バリアフリー性に優れた住宅」とは、高齢者などの日常生活を行いやすくした住宅のことです。

移動が容易に行えるため、将来的に足腰が弱くなった際にも安心で、老後にかかる工事費も軽減できます。

フラット35Sの金利Aプラン及びBプランにおける満たすべき技術基準は、以下の通りです。

 

金利引下げメニュー バリアフリー性の技術基準(住宅性能表示制度の評価等級)
【フラット35】S(金利Aプラン) [高齢者等配慮対策等級4以上]
【フラット35】S(金利Bプラン) [高齢者等配慮対策等級3以上]

上記の通り、住宅性能表示制度における[高齢者等配慮対策等級]について、一定基準が求められます。

耐震性に優れた住宅

「耐震性に優れた住宅」とは、強い揺れに対して倒壊や崩壊などしない性能を持つ住宅のことです。

地震に対する備えであり、地震保険の割引にも繋がります。

フラット35Sの金利Aプラン及びBプランにおける満たすべき技術基準は、以下の通りです。

 

金利引下げメニュー 耐震性の技術基準(住宅性能表示制度の評価等級など)
【フラット35】S(金利Aプラン) [耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3]または免震建築物
【フラット35】S(金利Bプラン) [耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上]

上記の通り、住宅性能表示制度における[耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)]について、一定基準が求められます。

耐久性・可変性に優れた住宅

「耐久性・可変性に優れた住宅」とは耐久性を有しており、長期にわたって良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅のことです。

丈夫で長持ちなことから、将来のメンテナンス費用を下げられます。

フラット35Sの金利Aプラン及びBプランにおける満たすべき技術基準は、以下の通りです。

 

金利引下げメニュー 耐久性・可変性の技術基準(住宅性能表示制度の評価等級など)
【フラット35】S(金利Aプラン) 長期優良住宅
【フラット35】S(金利Bプラン) [劣化対策等級3]かつ[維持管理対策等級2以上]

上記の通り長期優良住宅であることや、住宅性能表示制度における[劣化対策等級]と[維持管理対策等級]の一定基準が求められます。

出典:住宅金融支援機構 【フラット35】ホームページ「【フラット35】S
出典:住宅金融支援機構 【フラット35】ホームページ「【フラット35】技術基準・検査ガイドブックー2023年4月版ー

企業が住宅購入者にフラット35Sを利用してもらうために行う3つの評価方法

企業が住宅を購入する人にフラット35Sを利用してもらうためには、技術基準に関する評価を行うことが必要です。

ここでは、以下の3つの評価方法について紹介します。

  • 住宅性能評価
  • 長期優良住宅
  • ZEH

それぞれ解説します。

住宅性能評価

住宅性能評価は、安心して良質な住宅を購入できる市場を構築するための評価制度のことです。

平成12年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいています。

住宅性能評価の3つのルール

住宅性能評価では、以下3つのルールが定められています

  • 住宅の性能(構造耐力、省エネルギー性、遮音性等)に関する適正な表示のための共通ルール(表示の方法、評価の方法の基準)を定め、消費者が住宅性能について比較できるようにする
  • 住宅性能を客観的に評価する第三者機関を設けることで、評価結果の信頼性を確保する
  • 住宅性能評価書の結果(住宅性能)は、原則契約内容とされることで、住宅性能の実現を図る

上記ルールによって、消費者が安心して良質な住宅を購入できるようにしています。

フラット35Sと住宅性能評価の関係

フラット35Sは省エネルギー性・耐震性など、質の高い住宅を取得するときに利用できます。

住宅性能評価はフラット35Sを利用する際に、住宅の技術基準を判断する指標です。

具体的には、住宅性能評価における以下の等級が関係します。

  • 断熱等性能等級
  • 一次エネルギー消費量等級
  • 高齢者等配慮対策等級
  • 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)
  • 劣化対策等級
  • 維持管理対策等級

これらの等級に応じて、利用できるフラット35Sのメニューが変わるのです。

また、住宅性能評価の一定基準を満たすことで「設計検査」の手順を省略できるというメリットもあります。

住宅性能評価について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

参考:住宅性能評価書とは?住宅性能評価の最新の情報を専門家が徹底解説

出典:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会「住宅性能表示制度とは

長期優良住宅

長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置を講じた優良住宅のことです。

「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき認定されます。

長期優良住宅の認定制度は、平成21年6月から新築を対象とした認定が開始され、平成28年4月には既存住宅の増築・改築も認定対象となりました。

また令和4年10月からは、既存住宅に関する建築確認を伴わない認定が開始されています。

長期優良住宅の認定を受けるには

長期優良住宅の認定を受けるには、申請時に作成する「長期優良住宅の建築及び維持保全に関する計画」が以下の基準に適合していることを、所管行政庁から認められる必要があります。

  • 住宅の構造および設備について長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられていること
  • 住宅の面積が良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること
  • 地域の居住環境の維持・向上に配慮されたものであること
  • 維持保全計画が適切なものであること
  • 自然災害による被害の発生の防止、軽減に配慮がされたものであること

上記5つの要件をすべて満たす場合のみ、長期優良住宅の認定が受けられます。

長期優良住宅の認定基準

以下の表は、長期優良住宅の認定基準をまとめたものです。

<新築の認定基準>

性能項目等 新築の認定基準
概要 一戸建ての住宅 共同住宅等
①劣化対策 劣化対策等級(構造躯体等) 等級3かつ構造の種類に応じた基準
木造 床下空間の有効高さ確保及び床下・小屋裏の点検口設置 など
鉄骨造 柱、梁、筋かいに使用している鋼材の厚さ区分に応じた防錆措置または上記木造の基準
鉄筋コンクリート造 水セメント比を減ずるか、かぶり厚さを増す
②耐震性 次のいずれかに該当する場合 耐震等級(倒壊等防止) 等級2(階数が2以下の木造建築物等で壁量計算による場合にあっては等級3) 耐震等級(倒壊等防止) 等級1かつ安全限界時の層間変形を1/100(木造の場合1/40)以下 耐震等級(倒壊等防止) 等級1かつ各階の張り間方向及びけた行方向について所定の基準に適合するもの(鉄筋コンクリート造等の場合に限る)
③省エネルギー性 断熱等性能等級 等級5かつ一次エネルギー消費量等級 等級6
④維持管理・更新の容易性 維持管理対策等級(専用配管)等級3
維持管理対策等級(共用配管)等級3 更新対策(共用排水管)等級3
⑤可変性 躯体天井高さ2,650mm以上 ◯(共同住宅及び長屋に適用)
⑥バリアフリー性 高齢者等配慮対策等級(共用部分)等級3 ※一部の基準を除く
⑦居住環境 地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等の区域内にある場合には、これらの内容と調和を図る。 ※申請先の所管行政庁に確認が必要
⑧住戸面積 一戸建ての住宅 75平米以上 ※少なくとも1の階の床面積が40平米以上(階数部分を除く面積) ※地域の実情を勘案して所管行政庁が別に定める場合は、その面積要件を満たす必要がある
共同住宅等 40平米以上
⑨維持保全計画 以下の部分・設備について定期的な点検・補修等に関する計画を策定
  • 住宅の構造耐力上主要な部分
  • 住宅の雨水の侵入を防止する部分
  • 住宅に設ける給水又は排水のための設備

[政令で定めるものについて仕様並びに点検の項目及び時期を設定]
⑩災害配慮 災害発生のリスクのある地域においては、そのリスクの高さに応じて、所管行政庁が定めた措置を講じる。 ※申請先の所管行政庁に確認が必要

 

<既存の認定基準>

性能項目等 既存の認定基準(増築・改築)
概要 一戸建ての住宅 共同住宅等
①劣化対策 劣化対策等級(構造躯体等) 等級3かつ構造の種類に応じた基準
木造 床下空間の有効高さ確保及び床下・小屋裏の点検口設置 など (一定の条件を満たす場合は床下空間の有効高さ確保を要しない)
鉄骨造 柱、梁、筋かいに使用している鋼材の厚さ区分に応じた防錆措置または上記木造の基準
鉄筋コンクリート造
  • 水セメント比を減ずる
  • かぶり厚さを増す (中性化深さの測定によることも可能)
②耐震性 耐震等級(倒壊等防止) 等級1(新耐震基準相当)または品確法に定める免震建築物
③省エネルギー性 断熱等性能等級 等級4または 断熱等性能等級 等級3かつ一次エネルギー消費量等級 等級4
④維持管理・更新の容易性 維持管理対策等級(専用配管)等級3
維持管理対策等級(共用配管)等級3 更新対策(共用排水管)等級3
⑤可変性 躯体天井高さ2,650mm以上または居室天井高さ2,400mm以上 ◯(共同住宅及び長屋に適用)
⑥バリアフリー性 高齢者等配慮対策等級(共用部分)等級3 ※一部の基準を除く ※各階を連絡する共用階段のうち少なくとも1つが、両側に手すりを設置した場合、エレベータに関する基準を適用しない。
⑦居住環境 地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等の区域内にある場合には、これらの内容と調和を図る。 ※申請先の所管行政庁に確認が必要
⑧住戸面積 一戸建ての住宅 75平米以上 ※少なくとも1の階の床面積が40平米以上(階数部分を除く面積) ※地域の実情を勘案して所管行政庁が別に定める場合は、その面積要件を満たす必要がある
共同住宅等 55平米以上(令和4年9月30日時点の基準)
⑨維持保全計画 以下の部分・設備について定期的な点検・補修等に関する計画を策定
  • 住宅の構造耐力上主要な部分
  • 住宅の雨水の侵入を防止する部分
  • 住宅に設ける給水又は排水のための設備

[政令で定めるものについて仕様並びに点検の項目及び時期を設定]
⑩災害配慮 災害発生のリスクのある地域においては、そのリスクの高さに応じて、所管行政庁が定めた措置を講じる。 ※申請先の所管行政庁に確認が必要

上の表の認定基準をもとに、所管行政庁が認定を行います。

フラット35Sと長期優良住宅の関係

長期優良住宅の認定を受けると、【フラット35】S(金利Aプラン)の利用条件である「耐久性・可変性の技術基準」を満たすことになります。

このため、フラット35Sのうち【フラット35】S(ZEH)の次に有利な【フラット35】S(金利Aプラン)を住宅購入者に勧める場合には、あわせて長期優良住宅の認定についての案内が必要です。

なお、長期優良住宅について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

【関連記事への内部リンク設置】

出典:国土交通省「長期優良住宅認定制度の概要について(新築版)
出典:国土交通省「長期優良住宅認定制度の概要について(既存版)
出典:住宅金融支援機構 【フラット35】ホームページ「【フラット35】S
出典:住宅金融支援機構 【フラット35】ホームページ「【フラット35】技術基準・検査ガイドブックー2023年4月版ー

ZEH

ZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)のことです。

エネルギーの使用量を減らす「省エネ」とエネルギーをつくる「創エネ」によって、エネルギー消費量の実質ゼロを実現した住宅のことを指します。

フラット35SとZEHの関係

ZEH基準を満たすことで、金利引下げ幅が最も大きいメニューである【フラット35】S(ZEH)を利用できます。

当初5年間が年▲0.5%、6年から10年目までが年▲0.25%の金利引下げを受けることが可能です。

また長期優良住宅と併用することで、当初10年間について金利引下げ幅が年▲0.5%になります。

住宅購入者にとってメリットの大きい選択肢のため、ZEH取得を勧めるのもおすすめです。

なお、ZEHについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

【関連記事への内部リンク設置】

フラット35S(ZEH)の対象となるZEH基準

一戸建てについて、フラット35S(ZEH)の対象になるためのZEH基準は以下の通りです。

 

区分 断熱等性能 一次エネルギー消費量(対省エネ基準) 適用条件
再エネ除く 再エネ含む
ZEH 強化外皮基準(断熱等性能等級5相当) ▲20%以上 ▲100%以上
Nearly ZEH ▲75%以上▲100%未満 寒冷地、低日射地域、多雪地域
ZEH Oriented 再エネの導入必要なし 都市部狭小地、多雪地域

上記の通りZEH以外の区分においても、適用条件を満たすことでフラット35S(ZEH)を利用できます。

出典:住宅金融支援機構 【フラット35】ホームページ「2022年10月より、【フラット35】S(ZEH)をご利用いただけます。

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この記事では、フラット35及びフラット35Sの概要や技術基準、企業が住宅購入者にフラット35を利用してもらうための3つの評価方法について解説しました。

フラット35やフラット35Sを利用するには一定の技術基準を満たす必要があり、この技術基準については住宅性能評価などにより証明できます。

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