長期優良住宅として認定を受けるには、耐震性や省エネ性などの「性能」、住戸の「広さ」、30年以上の「維持保全計画」の条件をすべて満たし、工事に着手する前に所管行政庁へ認定を申請する必要があります。条件のうち1つでも満たさない場合や、着工後に申請しようとした場合は、認定を受けられません。
この記事でわかることは、次の3点です。
- 長期優良住宅の認定基準の全体像と、それぞれの条件の意味
- 自分のプランで条件を満たせるかを確認するチェックリスト
- 申請のタイミングと、条件を満たすと受けられる優遇・かかる費用
本記事の制度情報は2026年10月1日時点の公開情報にもとづいています。
結論|長期優良住宅の条件は「性能・広さ・計画・タイミング」の4つ
長期優良住宅は、長期優良住宅法にもとづき、長く良い状態で住み続けられる住宅を所管行政庁(都道府県や市など)が認定する制度です。認定の条件は、大きく次の4つに分けられます。
- 性能:劣化対策、耐震性、省エネルギー性、維持管理・更新の容易性など
- 広さ:一定以上の住戸面積
- 計画:居住環境・災害への配慮と、30年以上の維持保全計画
- タイミング:工事着工前に認定を申請すること
長期優良住宅の認定は年々広がっています。国土交通省によれば、2025年度(令和7年度)に認定を受けた新築一戸建ては155,838戸で、新設住宅着工戸数に対する割合は49.8%と、約2戸に1戸の水準になりました(国土交通省 報道発表)。

※参照:報道発表資料「長期優良住宅の認定状況について(令和7年度末時点)」|国土交通省
認定基準の全体像(戸建て・共同住宅)
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認定基準 |
主な内容 |
戸建て |
共同住宅 |
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劣化対策 |
劣化対策等級3+構造に応じた措置 |
○ |
○ |
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耐震性 |
耐震等級2以上(または免震建築物) |
○ |
○ |
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省エネルギー性 |
断熱等性能等級5・一次エネルギー消費量等級6 |
○ |
○ |
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維持管理・更新の容易性 |
維持管理対策等級3など |
○ |
○ |
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可変性 |
間取り変更に対応できる躯体天井高 |
― |
○ |
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高齢者等対策(バリアフリー性) |
共用部分のバリアフリー |
― |
○ |
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住戸面積 |
戸建て75㎡以上、共同住宅40㎡以上 |
○ |
○ |
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居住環境 |
地区計画・景観計画などへの配慮 |
○ |
○ |
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災害配慮 |
災害リスクの高い区域での配慮 |
○ |
○ |
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維持保全計画 |
30年以上の点検・補修の計画 |
○ |
○ |

※参照:長期優良住宅 認定制度の概要について〈新築〉|国土交通省(以下同)
「9つ」「8つ」と記事によって数が違う理由
長期優良住宅の条件は、記事によって「9つの基準」「8つの基準」と数が違うことがあります。これは数え方の違いによるものです。共同住宅だけに求められる可変性と高齢者等対策を含めるかどうか、2022年に追加された災害配慮を別の項目として数えるかどうか、維持保全計画を性能基準と並べて数えるかどうかで、数が変わります。戸建て住宅の場合、表のうち「可変性」と「高齢者等対策」を除いた8項目が条件になると考えると、わかりやすいでしょう。
近年の改正で変わった主なポイント
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時期 |
主な変更点 |
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2022年 |
災害配慮の基準を追加。省エネルギー性の基準をZEH水準(断熱等級5・一次エネ等級6)に引き上げ。共同住宅の住戸面積を40㎡以上に緩和。住宅性能評価と一体で審査できる仕組みを導入 |
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2025年4月 |
建築基準法の壁量基準の見直しに合わせ、耐震性の基準を計算方法を問わず耐震等級2以上に整理(壁量計算で等級3を求める暫定措置を廃止) |
インターネット上には、共同住宅の面積を「55㎡以上」、耐震性を「等級3が必須」とする情報が残っています。いずれも改正前の内容です。条件を確認するときは、情報の更新日に注意してください。
性能に関する条件
性能の条件は、住宅性能表示制度の「等級」で示されます。等級は数字が大きいほど性能が高いことを表します。
劣化対策:劣化対策等級3
構造躯体(柱や梁などの骨組み)が、数世代にわたって使用できる劣化対策が求められます。劣化対策等級3は、3世代(おおむね75〜90年)にわたって大規模な改修を必要としない対策の水準です。これに加えて、構造の種類に応じた次のような措置が求められます。
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構造 |
追加の措置の例 |
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木造 |
床下空間の有効高さ(330mm以上)の確保、床下・小屋裏の点検口の設置など |
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鉄骨造 |
柱・梁・筋かいの鋼材の厚さに応じた防錆措置など |
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鉄筋コンクリート造 |
水セメント比を減らす、またはかぶり厚さを増すなど |
耐震性:耐震等級2以上
極めてまれに発生する大地震の後も、必要な補修をして住み続けられるよう、損傷のレベルを抑えることが求められます。基準は、耐震等級2以上(建築基準法の1.25倍の地震力に耐える水準)が基本です。このほか、耐震等級1で大地震時の建物の変形(層間変形角)を一定以下に抑える基準や、免震建築物とする方法もあります。
以前は、2階建て以下の木造住宅で壁量計算をする場合に等級3を求める暫定措置がありましたが、2025年4月の壁量基準の見直しに合わせて廃止されました。現在は計算方法を問わず等級2以上が基準です。なお、等級3(建築基準法の1.5倍)にすると、地震保険の耐震等級割引が等級2の30%から50%に上がります。
▶ あわせて読みたい:長期優良住宅の耐震等級の改正はいつから?新基準や計算方法を解説
省エネルギー性:断熱等性能等級5・一次エネルギー消費量等級6
断熱等性能等級5は、外壁や窓などから熱が逃げにくい断熱性能の水準です。一次エネルギー消費量等級6は、冷暖房・給湯・照明などで使うエネルギーを、国の基準より20%以上減らす水準です。この2つを満たす性能は「ZEH水準」と呼ばれ、2025年4月から全ての新築に義務付けられた省エネ基準(断熱等級4・一次エネ等級4)よりも一段高い水準です。太陽光発電などの設置は求められません。
維持管理・更新の容易性:維持管理対策等級3
給排水管やガス管などの配管は、構造躯体より先に寿命を迎えます。そのため、壁や床を壊さずに配管の点検・清掃・補修ができる構造にすることが求められます。共同住宅では、共用の配管についても同様の対策と、将来の更新に備えた対策が必要です。
共同住宅のみの条件:可変性と高齢者等対策
共同住宅では、ライフスタイルの変化に合わせて間取りを変えられるよう、一定以上の躯体天井高(2,650mm以上など)を確保することが求められます。また、将来のバリアフリー改修に対応できるよう、共用廊下などに必要なスペースを確保することも条件です。戸建て住宅には、この2つの条件はありません。
▶ あわせて読みたい:長期優良住宅の仕様完全ガイド|8つの認定基準を等級・数値で徹底解説
広さ・立地・計画に関する条件
住戸面積:戸建て75㎡以上、共同住宅40㎡以上
良好な居住水準を確保するため、一定以上の面積が求められます。戸建て住宅は延べ床面積75㎡以上(かつ、少なくとも1つの階の床面積が階段部分を除いて40㎡以上)、共同住宅は1戸あたり40㎡以上が必要です(※メゾネット型の共同住宅等の場合は、1つの階で40㎡以上が必要になります。大田区「長期優良住宅の認定について」等)。所管行政庁によっては、地域の実情に応じて面積の基準を引き上げたり引き下げたりしている場合があるため、建築地の所管行政庁の基準を確認してください。
居住環境:地域のまちづくりへの配慮
地区計画や景観計画、建築協定など、地域のまちづくりのルールに沿った計画であることが求められます。都市計画施設の区域内など、所管行政庁が認定にふさわしくないと定めた区域では、認定を受けられない場合があります。
災害配慮:災害リスクの高い区域での扱い
自然災害による被害の発生の防止や軽減に配慮した計画であることが求められます。土砂災害特別警戒区域など、災害のリスクが高い区域では、所管行政庁の判断で認定を受けられなかったり、一定の措置を求められたりすることがあります。土地を決める段階で、ハザードマップとあわせて確認しておくと安心です。
維持保全計画:30年以上の点検と記録
建築時から将来を見据えて、30年以上の維持保全計画を作ることが求められます。計画では、構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分、給水・排水のための設備について、点検の時期と内容を定めます。
点検は少なくとも10年ごとに行い、地震や台風の後には臨時の点検も行います。点検の結果に応じて調査・修繕・改良を行い、その記録を保存します。住宅の状況に応じて、計画そのものの見直しも求められます。

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実務上の注意点:認定はゴールではなく、30年続く約束 維持保全計画どおりに点検を行わず、所管行政庁の改善命令にも従わない場合は、認定を取り消されることがあります。点検の費用や手間を、取得前に見込んでおいてください。点検を依頼できる住宅会社のアフターサービスの内容も、契約前に確認しておくと安心です。 |
【チェックリスト】自分のプランで条件を満たせるか確認する
住宅会社との打ち合わせで、次の10項目を確認してください。すべてに「はい」と答えられれば、条件を満たせる見込みが高くなります。
☐ 劣化対策等級3を満たす設計ですか(木造の場合、点検口や床下の高さも含めて)
☐ 耐震等級は2以上ですか。等級3にする場合の追加費用はいくらですか
☐ 断熱等性能等級5、一次エネルギー消費量等級6を満たしていますか
☐ 維持管理対策等級3を満たしていますか
☐ 延べ床面積は75㎡以上ですか。1つの階の床面積は40㎡以上ですか
☐ 建築地に地区計画や景観計画などのルールはありますか
☐ 建築地は、土砂災害特別警戒区域などの災害リスクの高い区域に当たりませんか
☐ 30年以上の維持保全計画は、誰が作成しますか
☐ 認定申請は、着工前のいつまでに行いますか
☐ 認定の申請費用は、見積書のどこに含まれていますか
注意したいのは、「長期優良住宅の基準を満たす仕様です」という説明と、「長期優良住宅の認定を申請します」という説明は別物だということです。基準を満たす設計であっても、着工前に認定を受けなければ、税制優遇や補助金は受けられません。「認定申請まで行いますか」と確認してください。
認定のタイミングと手続きの流れ|着工後は申請できない
申請は着工前が絶対条件
長期優良住宅の認定を受けるには、工事に着工する前に所管行政庁へ申請する必要があります。東京都は、認定申請前に工事に着工した計画は認定できないと明記しています(東京都住宅政策本部)。申請を受け付けてもらった後であれば着工できますが、認定前に着工し、その後に基準に適合しないことがわかった場合は、認定を受けられません。
手続きの流れ
- 住宅会社に、長期優良住宅の認定を受けたいことを伝える(設計の打ち合わせ段階で)
- 設計者が、認定基準を満たす設計図書と維持保全計画を作成する
- 登録住宅性能評価機関へ「長期使用構造等であることの確認」を申請し、確認書等の交付を受ける
- 確認書等を添えて、所管行政庁に認定を申請する(※申請書の受理後であれば着工自体は可能ですが、万が一不認定となった場合のリスクを避けるため認定通知書を待って着工するのが安全です)
- 認定通知書の交付を受ける
- 着工・竣工し、完了したことを所管行政庁に報告する
- 入居後、維持保全計画に沿って点検し、記録を保存する
申請者は建築主または分譲事業者ですが、専門的な書類が多いため、施主に代わって住宅会社や設計事務所が手続きを行うのが一般的です。建売住宅や分譲マンションの場合は、分譲事業者が認定を受け、購入者がその内容を引き継ぐ形になります。

長期使用構造等確認を行う登録住宅性能評価機関は、住宅性能評価・表示協会のホームページで検索できます。
住宅性能評価と同時に進める方法
2022年10月からは、登録住宅性能評価機関が、住宅性能評価と併せて「長期使用構造等であることの確認」を行えるようになりました。住宅性能評価も受ける予定であれば、同じ機関に依頼すると審査の重複を減らせます。
着工後に間取りや仕様を変更する場合
認定を受けた計画を変更する場合は、変更部分の工事に着手する前に、変更認定を受ける必要があります(神奈川県「長期優良住宅のよくある質問」)。設備の品番の変更なども対象になることがあるため、変更が生じたら早めに住宅会社に相談してください。
条件を満たすと受けられる優遇【2026年】
住宅ローン控除:借入限度額が最も大きい
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住宅の区分(2026〜2027年入居の新築) |
一般世帯 |
子育て世帯・若者夫婦世帯 |
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認定長期優良住宅・低炭素住宅 |
4,500万円 |
5,000万円 |
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ZEH水準省エネ住宅 |
3,500万円 |
4,500万円 |
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省エネ基準適合住宅 |
2,000万円 |
3,000万円 |
※控除率0.7%、控除期間は原則13年。子育て世帯・若者夫婦世帯は、19歳未満の扶養親族がいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯(入居年の12月31日時点)。出典:国土交通省「住宅ローン減税」(令和8年度税制改正)
床面積の要件は、合計所得金額1,000万円以下の場合、40㎡以上に緩和されています(40㎡以上50㎡未満の場合は、子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せは適用されません)。
住宅ローン控除を受けない場合でも、認定長期優良住宅を新築して住んだときは、性能を高めるためにかかった標準的な費用の10%を所得税から控除できる「投資型減税」を利用できます。令和8年度の税制改正で、適用期限が2028年12月31日まで延長されました。
補助金:みらいエコ住宅2026事業
2026年度の新築住宅の補助金「みらいエコ住宅2026事業」では、長期優良住宅に5〜8地域で75万円、1〜4地域で80万円が補助されます。古家の解体を伴う建替えでは20万円が加算されます(みらいエコ住宅2026事業【公式】)。ただし、対象は子育て世帯(申請時点で18歳未満の子がいる世帯)と若者夫婦世帯(申請時点で夫婦のいずれかが39歳以下の世帯)に限られます。
交付申請の期限は遅くとも2026年12月31日までですが、予算の上限に達した時点で受付が終了します。長期優良住宅・ZEH水準住宅の予算は、2026年9月下旬時点で4割弱が申請済みです。最新の消化状況は公式サイトで確認してください。
税の軽減・地震保険
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税目 |
一般住宅の特例 |
認定長期優良住宅の特例 |
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固定資産税(戸建て) |
3年間 2分の1に減額 |
5年間 2分の1に減額 |
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固定資産税(マンション) |
5年間 2分の1に減額 |
7年間 2分の1に減額 |
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不動産取得税 |
課税標準から1,200万円控除 |
課税標準から1,300万円控除 |
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登録免許税(保存登記) |
0.15% |
0.1% |
不動産取得税と固定資産税の特例は、令和8年度の税制改正で2031年3月31日まで延長されました。登録免許税の特例は、国土交通省の資料では2027年3月31日までの取得が対象です。
いずれも、適用期限や要件は国土交通省のページで最新の内容を確認してください。耐震等級に応じた地震保険料の割引や、フラット35の金利引下げメニューでも、長期優良住宅の性能が活かせます。
費用とデメリット|条件を満たす価値があるか
費用の内訳
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費用 |
内容 |
目安 |
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認定申請の手数料 |
所管行政庁に支払う |
一戸建てで確認書がある場合、東京都7,100円、神奈川県8,000円 |
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長期使用構造等確認の審査費用 |
登録住宅性能評価機関に支払う |
機関ごとの料金表による |
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申請書類の作成代行費 |
住宅会社・設計事務所に支払う |
公定価格なし。見積で確認 |
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性能を上げるための追加建築費 |
耐震・断熱・劣化対策の強化など |
もとの仕様によって大きく変わる |
認定申請の手数料は、評価機関の確認書がない場合は高くなります(東京都では一戸建てで52,000円)。費用の大きな部分を占めるのは、代行費と追加建築費です。見積書に「長期優良住宅申請費用」と一式で書かれている場合は、内訳の提示を求めてください。
デメリット
- 申請の手間と期間:着工前に審査と認定を受けるため、着工までのスケジュールに余裕が必要です
- 30年以上の点検義務:10年ごとの点検と記録の保存が続き、その費用もかかります
- 設計の制約:耐震性や面積などの条件によって、間取りや窓の大きさに制約が出ることがあります
- 住宅履歴情報の保存:認定申請書や添付図書、設計図書、点検・修繕の記録などを、紙または電子データで保存し続ける必要があります
損得の考え方
判断のポイントは2つです。1つ目は借入額です。住宅ローン控除の差は、借入額が他の区分の限度額を超える場合に大きくなります。たとえば一般世帯で借入額が3,500万円以下なら、ZEH水準省エネ住宅でも限度額の範囲に収まるため、控除額の差は出ません。2つ目は、補助金の対象世帯かどうかです。子育て世帯・若者夫婦世帯であれば、補助金の75〜80万円が判断を後押しします。これに、固定資産税などの軽減を加えた金額と、費用・点検の負担を比べて判断してください。
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実務上の注意点:「性能」と「手続き」を分けて考える 長期優良住宅の性能(耐震等級2以上、劣化対策等級3など)は、認定を受けなくても採用できます。迷ったときは、まず性能をどこまで上げるかを決め、そのうえで、認定の手続きをするかどうかを、優遇の金額と費用・手間で判断すると整理しやすくなります。 |
よくある質問
Q. 耐震等級3でないと認定されませんか?
いいえ。現在の基準は耐震等級2以上です。2025年3月までは、2階建て以下の木造で壁量計算をする場合に等級3を求める暫定措置がありましたが、廃止されています。
Q. 延べ床面積が75㎡未満でも認定を受けられますか?
戸建て住宅の基準は75㎡以上ですが、所管行政庁が地域の実情に応じて基準を変えている場合があります。建築地の所管行政庁の基準を確認してください。
Q. 建売住宅や中古住宅でも長期優良住宅はありますか?
建売住宅では、分譲事業者が認定を受けている物件があります。購入前に、認定通知書があるかを確認してください。既存住宅(中古住宅)についても、2022年10月から、増改築を伴わない場合でも基準を満たせば認定を受けられる制度が設けられています。
Q. 認定後に点検をしないとどうなりますか?
所管行政庁から維持保全の状況の報告を求められることがあり、計画どおりに維持保全をしていない場合は改善を求められます。改善命令に従わない場合は、認定を取り消されることがあります。
Q. 長期優良住宅とZEHは何が違いますか?
長期優良住宅は「長く使える家」を認定する制度で、耐震性や劣化対策、維持保全計画が求められます。ZEHは、省エネと太陽光発電などの創エネで年間のエネルギー収支ゼロを目指す住宅です。省エネ性能(断熱等級5・一次エネ等級6)は両者で同じ水準で、両方の要件を満たす家を建てることもできます。
▶ あわせて読みたい:ZEHとは?取得のメリットやZEHの種類を紹介、補助金制度についても専門家が徹底解説
▶ あわせて読みたい:認定低炭素住宅(エコまち法)の新基準について専門家が徹底解説
まとめ|条件を確認したら、着工前に住宅会社へ申請を依頼する
長期優良住宅の条件は、「性能」「広さ」「計画」「タイミング」の4つです。性能は、劣化対策等級3、耐震等級2以上、断熱等級5・一次エネ等級6、維持管理対策等級3が基本で、共同住宅では可変性と高齢者等対策も加わります。広さは戸建て75㎡以上、共同住宅40㎡以上で、30年以上の維持保全計画も必要です。
そして何より、認定の申請は着工前に行わなければなりません。チェックリストを手元に置いて住宅会社との打ち合わせに臨み、認定申請まで行うかどうかを、早めに確認してください。
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