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ZEHマンションとは?メリット・デメリットや評価の種類を紹介、補助金制度についても解説

近年、環境性能が非常に高い住宅にのみ認定される「ZEH(ゼッチ)」を取得する方が増えています。

ZEHの取得には、社会的信頼の獲得や住宅価値の向上など様々なメリットがあります。

その一方、マンションのZEH化には多くの費用がかかるため、改装に慎重になる方も多いです。

そこで、国全体のZEHマンションの普及を推進するために、マンションのZEH化に向けた補助金制度が設けられています

またマンションのZEH化には様々な経済的なメリットが多いため、上手く活用することで生活面の向上と経済メリットの双方を得ることが可能です

この記事では、実際にZEHマンションのメリット・デメリットについて解説しています。また、マンションのZEH化を行うにあたって、活用できる補助金制度についても詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

ZEHマンションとは?

ZEHマンションとは、Net Zero Energy House Mansion(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション)の略で、ZEH-Mと表記されるのが一般的です。

ZEHマンションは、1年間で消費するエネルギーの量を実質ゼロにする(もしくはゼロに近づける)集合住宅を指します

具体的には、マンションの断熱性・省エネ性能を高めつつ、太陽光発電などで再生可能エネルギーを創ることによって、エネルギー消費量の実質ゼロを目指します。

マンションのZEH化には多くの費用がかかりますが、費用を上回る経済的メリットがあります

ZEH-Mを取得するメリット

マンションのZEH化には、デベロッパーと入居者の双方にメリットがあります。

以下でそれぞれのメリットについて解説します。

デベロッパーのメリット

デベロッパーがZEH-Mを所有する大きなメリットは、社会的意義と販売戦略上の付加価値創出の2点です

ZEH-Mの認定を受けたマンションを開発することで、脱炭素に向けた企業としての「脱炭素経営」を社内外に強くアピールすることが可能です。それにより、社会的信用力が高まり株価上昇や資金調達能力の向上が図れます

また、マンションの販売・賃貸を行う際には他の物件との差別化に繋がり、環境配慮への意識が高い顧客層へアプローチすることが可能です。

入居者のメリット

ZEH-Mに入居するメリットは、高い断熱性や遮熱性により一年中快適な室内環境で保つことができる点です

ZEH-Mには省エネ性能の高い設備が導入されているため、光熱費が通常のマンションよりも大幅に低減できる可能性があります。

さらに、太陽光発電設備を導入しているマンションであれば、停電時でも蓄電用の電力を利用することができるため、緊急時の安全・安心が確保されます

また、省エネ住宅の普及支援制度により、税金や住宅ローンでの金利優遇を受けることができる可能性があるのもZEH-Mの魅力です。

ZEH-Mを取得するデメリット

ZEH-Mの取得にはメリットだけではなく、デメリットも存在します

ZEH-Mのデメリットは下記2点です。

  • 建築費が割高になる
  • 環境省・経産省のZEH補助金を申請する際に「ZEHデベロッパー」の登録が必要

以下で詳しく解説します。

建築費が割高になる

ZEH-Mの建築には、一般的なマンションと比較して、多くの工事費が必要となります

さらに、省エネ性能が高く太陽光発電設備を導入したマンションであれば、数割程度の建築費アップとなり、数百万から数千万程度の費用がかかります。

そこで、ZEH-Mの工事費用の一部を補うために、国による補助金制度が用意されています

ZEH-Mを建築や購入する際には、活用できる補助金制度を確認しておきましょう。

環境省・経産省のZEH補助金を申請する際に「ZEHデベロッパー」の登録が必要

環境省・経産省のZEH補助金を申請する際には、一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)に「ZEHデベロッパー」として登録される必要があります。年々認定されるデベロッパーや建設会社は増えていますが、2022年7月末時点で全国130社と限定的です。

なお、似たような名称で「ZEHビルダー」として認定されている会社もありますが、こちらは一戸建てに対する認定ですので、混同しないようにお気をつけください。

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ZEH-Mの種類

ZEH-Mは、省エネ率や太陽光発電の採用有無によって4つの種類に分類されます

  • 『ZEH-M』
  • Nearly ZEH-M
  • ZEH-M Ready
  • ZEH-M Oriented

高層のZEH-Mは、太陽光発電によってマンション全体のエネルギー消費量を賄うことが難しいため、削減目標が異なる4つの水準が設けられています。

 

ZEH-Mの種類

出典:経済産業省・環境省/ ZEHの普及促進に向けた政策動向と令和4年度の関連予算案

 

ZEH-Mを取得するためには、4つの種類の全てで、以下の2つの水準を満たす必要があります

 ①外皮断熱性能が全住戸で「強化外壁基準(ZEH基準)」※を満たしている
 ※強化外皮基準とは、地域毎に定められた外皮(熱的境界にある外壁・天井・屋根・窓・ドアなど)の断熱性能基準(外皮熱貫流率UA値)のこと。
 ②省エネ基準から20%以上の一次エネルギー消費量を削減している

2020年度のZEH-M普及状況は以下グラフの通りです。棟数ベースではNearly ZEH-Mが約半数を占め、床面積ベースではZEH-M Orientedが約60%程度を占めています。

 

ZEH-Mの種類②

出典:経済産業省・環境省/ ZEHの普及促進に向けた政策動向と令和4年度の関連予算案

 

以下でZEH-Mの4つの種類について、詳しく解説します。

『ZEH-M』

『ZEH-M』は、前述の「強化外壁基準」と「20%以上の一次エネルギー消費量の削減」を満たしたうえで、再生可能エネルギー設備の導入により100%以上の一次エネルギー消費量削減を達成するマンションのことを指します。

Nearly ZEH-M

Nearly ZEH-Mは、前述の「強化外壁基準」と「20%以上の一次エネルギー消費量の削減」を満たしたうえで、再生可能エネルギー設備の導入により75%以上の一次エネルギー消費量削減を達成するマンションのことを指します。

『ZEH-M』とNearly ZEH-Mは、4種類の中でも、住戸あたりの再生可能エネルギー設備の割合が高い水準です。そのため、低層マンションに多く、主に3階建て以下のマンションが目指すべき水準として定義されています。

ZEH-M Ready

ZEH-M Readyは、「強化外壁基準」と「20%以上の一次エネルギー消費量の削減」を満たしたうえで、再生可能エネルギー設備の導入により50%以上の一次エネルギー消費量削減を達成するマンションのことを指します

4、5階建て以下のマンションが目指すべき水準として定義されています。

ZEH-M Oriented

ZEH-M Orientedは、主に、大規模マンションやタワーマンションを想定した基準です。他のZEH-Mと異なり、再生可能エネルギー設備の導入は必要ありません

再生可能エネルギー設備の導入が不要なため、ZEH-Mの中では最も導入しやすく、ZEH-M Orientedは床面積ベースで最も活用実績が多くなっています。

令和4年度のZEH-M化に関する補助金

2022年の経済産業省と環境省のZEH-M補助金は、以下の3つの事業が対象です。

  1. 超高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)実証事業
  2. 中高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)支援事業
  3. 低層ZEH-M(ゼッチ・マンション)促進事業

政府は2030年までに建売戸建てや集合住宅を含む新築住宅の多くでZEHの実現を目指しています

住宅の省エネ・省CO2化を支援する補助金制度は、ZEHの普及を推進するために設けられた制度です。

ZEH-M補助金の対象となる事業を、以下で詳しく解説します。

※年度によっては補助金の金額が変わりますので年度毎に確認する必要がございます。

また、補助金の予算に到達した場合は早くに締め切りをする可能性があるので、申請を希望される場合は早目の対応が望ましいです。

「超高層ZEH-M実証事業」及び「中高層ZEH-M支援事業」

 

申請対象者 新築住宅を開発する事業者等
対象となる住宅 ・『ZEH-M』
・ZEH-M Ready
・Nearly ZEH-M
・ZEH-M Oriented
交付要件の主なポイント ①集合住宅におけるZEHロードマップの「ZEH-Mの定義」を満たしていること且つ、以下のⅠ~Ⅲを満たしていること
Ⅰ.住宅用途部分が21層以上(超高層ZEH-M)、4層以上20層以下(中高層ZEH-M)の集合住宅であること
Ⅱ.住宅用途部分が4・5層の集合住宅はZEH-M Ready以上、6層以上の集合住宅はZEH-M Oriented以上であること
Ⅲ.省エネ性能評価証を活用した営業広報を行うこと

②補助事業者は以下のいずれかであること
Ⅰ.SIIに登録されているZEHデベロッパー(建築主)
Ⅱ.個人または宅地建物取引業免許を有する不動産業以外の法人であり、ZEHデベロッパー(建築請負会社)に補助事業の発注を計画している建築主
補助額 ●超高層ZEH-M  補助対象経費の1/2以内 ※事業期間は最長5年(上限:3億円/年、10億円/事業)
●中高層ZEH-M  補助対象経費の1/3以内 ※事業期間は最長4年(上限:3億円/年、8億円/事業、補助事業の費用対効果)

 

低層ZEH-M促進事業

 

申請対象者 新築住宅を開発する事業者等
対象となる住宅 ・『ZEH-M』
・Nearly ZEH-M
交付要件の主なポイント ①集合住宅におけるZEHロードマップの「ZEH-Mの定義」を満たしていること且つ、以下のⅠ~Ⅱを満たしていること
Ⅰ.住宅用途部分が3層以下であること
Ⅱ.省エネ性能評価証を活用した営業広報を行うこと

②補助事業者は以下のいずれかであること
Ⅰ.SIIに登録されているZEHデベロッパー(建築主)
Ⅱ.個人または宅地建物取引業免許を有する不動産業以外の法人であり、ZEHデベロッパー(建築請負会社)に補助事業の発注を計画している建築主
Ⅲ.不動産を業とする法人でZEHデベロッパー(建築請負会社)に補助事業の発注を計画している建築主(本事業への累積申請住戸数が25戸以下であるもの)
補助額 40万円/戸 ※事業期間は最長3年(上限:3億円/年、6億円/事業)

 

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このように、ZEH-Mにはいくつかの種類があり、管轄行政機関との協議のためには専門知識が必要となります。

また、そもそもどのような補助金制度が設けられているのか、さらに自らが行いたいZEH-M対策に活用できる制度はどれなのか、適切に判断するのは一般の方には困難です。

したがって、ZEH-Mの取得方法や補助金活用に関しては、まずはプロに相談のうえ建築プロジェクト全体の方針を検討するのが好ましいと言えます

多くの省エネ性能評価の申請代行業務の実績を誇る当社「環境・省エネルギー計算センター」では、複数の補助金・助成金から、依頼者様のマンション建設に適した制度のご提案が可能です

実際の業務も高品質でありながら、適正価格で承ります。ちょっとした疑問などでも結構ですので、ぜひお気軽にご連絡ください。

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