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【2023年】長期優良住宅とは?専門家が長期優良住宅について徹底解説

長期優良住宅とは、長い期間良好な状態で暮らすための設備が整った住宅を指します。

長期優良住宅として認定された住宅には、税金が軽減されるなどのメリットがあります

一方で、認定を獲得するためには長期的なメンテナンスが必要となるため認定を受けるべきか慎重に判断しなければなりません。

今回は、長期優良住宅とは何かを徹底解説するとともに、認定を受けることのメリットやデメリットについて解説していきます。長期優良住宅の認定を受けるべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、良好な状態で長期間暮らすための設備が整っている住宅です。

長期優良住宅は、国によって定められた『長期優良住宅の普及の促進に関する法律』に基づいて認定されます。

認定されるためには、認定基準となる設備を整えたうえで、所管行政庁への申請が必要です

長期優良住宅の認定制度は、平成21年6月4日から新築を対象に開始され、平成28年4月1日からは既存住宅の増築・改築も対象となりました。

令和3年度末の時点で、新築・既存住宅合わせて135万戸以上が認定を受けています。

出典:住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅認定制度の概要について

長期優良住宅の対象

長期優良住宅の認定を受けられるのは、新築もしくは既存住宅を増築・改築する場合です。

長期優良住宅に認定されるためには下記の10項目を満たす必要があります。

 

性能項目 内容
劣化対策 数世代にわたって、住宅の構造躯体が使用可能であること。
耐震性 極めて稀に発生する大きな地震に対して、損傷レベルを低減させる処置を図ること。
省エネルギー性 十分な断熱性能などの省エネルギー性能が備わっていること。
維持管理・更新の容易性 建物と比べて耐用年数が短い設備配管を、点検・補修・清掃・更新などの管理ができる環境が整えられていること。
可変性 (共同住宅・長屋) 移住者のライフスタイルが変わったタイミングで、住宅の間取りを変えることができる処置が講じられていること。
バリアフリー性 (共同住宅等) 将来的にバリアフリーに対応する住宅に改修できるよう、十分なスペースが確保されていること。
居住環境 良好な景観が形成されていること。
また、周辺地域における居住環境の維持に配慮されていること。
住戸面積 良好な居住水準の確保のために、十分な広さを有すること。
維持保全計画 将来を見越して、建築時から定期的な補修・点検などの計画が組まれていること。
災害配慮 自然災害による被害を最小限にするための配慮がされていること。

長期優良住宅として認定されるには多面的な項目による評価が必要です。

長期優良住宅認定通知書とは

長期優良住宅認定通知書とは、所管行政庁から交付される書類を指します。

長期優良住宅の申請には、登録住宅性能評価機関に審査を依頼する必要があります

審査を通過すると、適合証または確認書が交付されるため、その書類と申請書類を合わせて所管行政庁へ認定申請を行います。

所管行政庁では、申請を受けた住宅が長期優良住宅として適切か適合審査を行い、基準が満たされていれば確認書を作成します。

長期優良住宅として認定されると、所管行政庁から『長期優良住宅認定通知書』が交付されます。書類が交付されることで、長期優良住宅として認定されたことの証明になります。

出典:住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅認定制度の概要について(既存版)

【2023年版】長期優良住宅の認定基準

長期優良住宅として認められるためには、10項目の認定基準に対する措置を講じ、所管行政庁へ申請する必要があります。

認定基準は新築と既存住宅で違いがあるため、申請を行う際には注意が必要です。両者の具体的な内容を以下で確認してください。

 


性能項目
評価基準の概要
新築 既存住宅
劣化対策 劣化対策等級3相当かつ構造の種類に応じた基準を満たしていること。
耐震性 耐震等級2であること。
もしくは耐震等級1かつ安全限界時の層間変形を1/100以下であること。
または、住宅品質確保促進法に定める免震建築物であること。
耐震等級1もしくは、品確法に定める免震建築物であること。
省エネルギー性 断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6であること。 断熱等性能等級4であること。
もしくは、断熱等性能等級3かつ一次エネルギー消費量等級4であること。
維持管理・更新の容易性 維持管理対策等級3(専用配管・共用配管)かつ更新対策等級3(共用排水管)であること。
可変性 構造躯体の天井が、高さ2,650mm以上であること。 構造躯体の天井が、高さ2,650mm以上もしくは居室天井の高さ2,400mm以上であること。
バリアフリー性 高齢者等配慮対策等級3(共用部分)であること。
居住環境 建築協定・景観計画・地区計画・条例によるまちなみ等の計画・景観協定等の区域内にある場合、これらの内容と調和を図っていること。
住戸面積 一戸建ての場合は、床面積の合計が75㎡以上、少なくとも1階の床面積が40㎡以上であること。 共同住宅の場合は、床面積の合計が40㎡以上であること。
維持保全計画 住宅の構造耐力上主要な部分・住宅の雨水の侵入を防止する部分・住宅に設ける給排水のための設備の箇所は、定期的な点検および補修を計画すること。
災害配慮 災害発生のリスクが大きい地域に対して、そのリスクの大きさに準じて所管行政庁が定めた措置を講じていること。

※赤字は令和4年10月からの変更点

出典:住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅認定制度の概要について

既に住宅を持っている方は、既存住宅の性能と求められている基準値を比較することで、長期優良住宅の認定に向けた取り組みを進めるべきか判断してください。

また、長期優良住宅の認定基準について詳細を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

参考:【2023年版】長期優良住宅の基準とは?専門家が詳細を徹底解説!見直しされた点も説明

長期優良住宅のメリット

長期優良住宅として認定されると、税制面や住宅ローンの金利面でメリットが得られます

長期優良住宅を建てる具体的なメリットは以下の通りです。

 

さまざまな税の特例措置 所得税(住宅ローン減税)の限度額引き下げ、所得税(投資型減税)の10%が控除対象、登録免許税の税率引き下げ、不動産所得税の控除額増額、固定資産税の減税措置適用機関の延長などの特例措置が受けられる。
住宅ローンの金利優遇 『フラット35S』という住宅ローンを利用する際に、金利の引き下げを受けることができる。
地震保険料が割引される 耐震等級によって地震保険の割引率が決まっているため、保険会社に申請することで相当の割引を受けることができる。
補助金をもらうことができる 地域型住宅グリーン化事業・長期優良住宅化リフォーム推進事業の条件に合えば、補助金を受け取ることができる。

出典:住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅認定制度の概要について(既存版)

長期優良住宅として認定されることは、生活面だけでなく金銭面でも多くのメリットがあります。

興味がある方はぜひ認定に向けた取り組みを検討してください。

長期優良住宅のデメリット・リスク

長期優良住宅にはメリットがある一方でデメリットやリスクもあります。具体的には以下の通りです。

 

長期優良住宅の認定に時間と手間がかかる 長期優良住宅の申請は、登録住宅性能評価機関に審査を受けたのち、所管行政庁に申請できるので時間がかかる。
また、必要書類が多く手間もかかる。
通常の物件より建設費用が高くなりやすい 長期優良住宅は、省エネルギー性能・耐震性・劣化対策などを行うため、一般的な住宅より費用が高くつく可能性が高い。
継続してメンテナンスをする必要がある 維持保全計画に基づいて、継続的に定期点検やメンテナンスを行う必要がある。
不適切と判断された場合、認定を取り消されたり罰金に処せられたりすることがある。

長期優良住宅として認定されるには、多くの評価項目に対する措置が必要です。

各項目の基準をクリアするためには時間と費用がかかるため、メリット・デメリットを比較したうえで、長期優良住宅の認定に向けた取り組みを進めるべきか判断してください。

長期優良住宅として認定されるメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

参考:【2023年最新】長期優良住宅の認定に関する4つのメリットと4つのデメリットを専門家が徹底解説

長期優良住宅の取得を行うときに必要なリフォーム内容

既に住宅を所有している方が長期優良住宅としての認定を目指すにあたって、既存住宅のリフォームを検討する方が多いです。

長期優良住宅の認定に向けたリフォームには補助金を活用することができます

補助金を取得できる可能性があるリフォーム内容は、以下の通りです。

  • 各性能基準を満たすリフォームを行う:【必須項目】構造躯体の劣化対策、省エネルギー対策、耐震性の基準値【任意項目】可変性、高齢者対策、更新の容易性の基準値
  • 上記項目のレジリエンス性の向上改修工事、防災性の向上改修工事、子育て世帯向け改修工事、三世代同居対応改修工事、性能向上に資するリフォーム工事のいずれかを行う
  • 維持保全計画、居住環境、住戸面積の確保、の要件に適合する工事を行う

補助金を上手く活用することで、費用を抑えて認定を受けることができます。

出典:長期優良住宅化リフォーム事業「建築研究所

長期優良住宅で使える補助金:地域型住宅グリーン化事業

地域の中小住宅生産者などが省エネルギーや耐久性に優れた木造住宅を建設する際に、補助金を受けることができる事業を『地域型住宅グリーン化事業』といいます。

補助金は最大150万円(2023年3月時点)まで受けることが可能です。

補助金の対象となる住宅は、以下の木造住宅です。

  • 長寿命型(認定長期優良住宅)
  • ゼロ・エネルギー住宅型(ゼロ・エネルギー住宅Nearly ZEH、ZEH Orientedを含む)
  • 高度省エネ型(認定低炭素住宅)

他にも、補助金の対象となるためには地域で採れた木材を使用し、国交省から指定された中小工務店によって建築されている必要があります。条件が多いので、興味がある場合は事前に調べたうえで申請して下さい。

出典:地域型住宅グリーン化事業(評価)「令和4年度地域型住宅グリーン化事業

長期優良住宅の費用・料金の目安

ハウスメーカーで建設する場合は、一般的な仕様で長期優良住宅の評価基準をクリアできていることが多いので、建設費用はあまり変わりません。

しかし、中小工務店で建設する場合には省エネルギー性能・耐震性・劣化対策などを行う必要があるため、一般的な住宅の建設費用より高くなります

おおよそ、20〜30%ほど割高になることが多いです。

また、長期優良住宅の申請にも費用がかかります。審査にかかる手数料は行政によって異なりますが5〜6万円程度が相場です。

工務店やハウスメーカーに申請代行を依頼すると、20〜30万円ほどかかります。

建設会社を選択する際には、長期優良住宅の実績があるか確認したうえで、どの程度コストがかかるのか比較検討して下さい。

長期優良住宅についてのよくある質問

これまで長期優良住宅の概要や費用について具体的に解説してきました。

本章では長期優良住宅の認定に向けた取り組みを行う際の、よくある質問について解説していきます。

長期優良住宅の認定取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

長期優良住宅の改正はいつ?内容は?

令和4年10月1日より、長期優良住宅に関する法改正がされました。

具体的に改正された内容は以下の5点です。

 

長期優良住宅認定対象の拡充 これまで既存住宅は増築や改築を行わなければ認定を受けることができなかった。
しかし、法改正により既存住宅でも長期優良住宅の認定基準を満たす性能があれば、長期優良住宅として認められることになった。
共同住宅の住戸面積の変更 評価基準である住戸面積が、55㎡以上から40㎡以上に変更された。
省エネルギー性能基準の引き上げ これまでは断熱等性能等級4のみで、一次エネルギー消費量性能は評価基準に含まれていなかった。
しかし、2050年のカーボンニュートラルの実現を視野に入れ、断熱等性能等級5および一次エネルギー消費量等級6が求められるようになった。
長期優良住宅に係る壁量基準の見直し 現行の壁量基準は、耐震等級2又は3である。
法改正により、現行の住宅性能表示制度の耐震等級3相当を対象とするようになった。(PVなどを載せた場合は仕様に関わらず重い屋根の壁量基準を満たすものとする)
マンション認定管理計画のみなし規定の新設 「国土交通省令で定める維持保全に関する基準」を新たに定め、維持保全に係る基準に適合しているものを対象とすることになった。

長期優良住宅の改正によって変更されたことについて詳細を知りたい方は、以下を参考にしてください。

出典:国土交通省「長期優良住宅法改正概要説明

長期優良住宅はいらない?取得した後悔はある?

「長期優良住宅を建てると後悔する」と工務店側に伝えられ、長期優良住宅の建設を希望しているのに踏み出せない方も多いです。

しかし、長期優良住宅を建てることに工務店側が伝えるほどのデメリットはありません。

なぜなら、長期優良住宅の建設は「工務店にとって手間と時間がかかる」という工務店都合であることが多いからです。

ただし、前述したように「申請に時間がかかる」「申請に手数料がかかる」というデメリットはあります。

認定を取得した後に後悔しないためには、あらかじめ複数社の相談会に参加し、内容を確認して下さい。

長期優良住宅の後悔について、下記に詳しく記載しています。興味がある方はご確認ください。

参考:長期優良住宅はいらない?後悔する理由と後悔しないための方法

環境性能評価システムの利用を検討しているなら、「環境・省エネルギー計算センター」に相談しよう!

これまで、長期優良住宅について詳しく解説してきました。

長期優良住宅は、長く良好な状態を保ったまま住み続けることができる住宅のことを指します。

これと類似するのが、住宅性能評価です。住宅性能評価は長く住み続けることに限らず、住宅全体の品質の良さを評価された住宅を指します。

2022年10月の法改正により、長期優良住宅と住宅性能評価を一緒に申請することが可能となりました。

事業者の方で、長期優良住宅や住宅性能評価を検討されている場合は、当社「環境・省エネルギー計算センター」に無料でご相談ください。

環境性能評価システムの専門家が、貴社に適したご提案と手続きを行ってまいります。

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