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住宅性能評価の費用完全ガイド|相場・メリット・損得勘定まで徹底解説【2026年最新版】

「この住宅性能評価の費用、本当に妥当ですか?」
「結局、施主の総額負担はいくらになりますか?」
「地震保険や税制優遇を含めると、実際に“いくら得する”と説明できますか?」

住宅性能評価は、提案の仕方次第で付加コストにも「強力な営業武器」にもなります。
しかし、費用の内訳や経済メリットを数字で説明できないまま提案してしまい、施主の不安や価格交渉に押されてしまうケースも少なくありません。

本記事では、2026年最新の制度情報をもとに、住宅性能評価の費用相場から、地震保険割引・税制優遇による具体的な金額効果、さらに30年間で見たトータル損得勘定まで、設計者・ゼネコン・デベロッパーがそのまま施主説明に使えるレベルで、数字ベースで徹底解説します。

 

目次

住宅性能評価とは?2026年時点での制度概要

住宅性能評価の定義

住宅性能評価とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき、国に登録された第三者機関(登録住宅性能評価機関)が、住宅の性能を客観的に評価する制度です。

評価結果は「住宅性能評価書」として交付され、耐震性・省エネ性・劣化対策など10分野の性能が等級で示されます。

2種類の住宅性能評価

住宅性能評価には、評価するタイミングにより2種類があります。

 

種類 評価タイミング 内容
設計住宅性能評価 設計段階 設計図書に基づく評価
建設住宅性能評価 施工・完成段階 実際の施工状況を現場検査で確認

 

重要ポイント:建設住宅性能評価を受けるには、事前に設計住宅性能評価を受けている必要があります。つまり、両方取得する場合は、設計→建設の順で申請します。

 

住宅性能評価の費用相場【2026年最新】

住宅性能評価の費用は、評価機関・住宅の規模・評価項目によって異なりますが、一般的な相場を解説します。

設計住宅性能評価の費用相場

 

住宅種別 延床面積 費用相場
戸建住宅 100㎡未満 10万〜15万
戸建住宅 100〜150 12万〜18万
戸建住宅 150㎡以上 15万〜25万
共同住宅 10戸未満 30万〜50万
共同住宅 10〜30戸 50万〜100万
共同住宅 30戸以上 100万〜200万

 

費用変動の要因

  • 延床面積(広いほど高い)
  • 階数(3階建て以上は割高)
  • 評価項目数(追加項目を選択すると加算)
  • 評価機関(機関ごとに料金設定が異なる)

建設住宅性能評価の費用相場

 

住宅種別 延床面積 費用相場
戸建住宅 100㎡未満 12万〜18万
戸建住宅 100〜150 15万〜22万
戸建住宅 150㎡以上 18万〜30万
共同住宅 10戸未満 40万〜65万
共同住宅 10〜30戸 65万〜120万
共同住宅 30戸以上 120万〜250万

 

建設住宅性能評価は、現場検査が複数回入るため、設計住宅性能評価より費用が高くなります。

両方取得した場合の総額(戸建住宅の例)

 

延床面積 設計評価 建設評価 合計
100 12万 15万 27万
120 15万 18万 33万
150 18万 22万 40万

 

一般的な戸建住宅(120㎡程度)で両方取得する場合、総額30万円〜35万円が相場です。

申請代行費用(設計事務所・工務店へ委託する場合)

住宅性能評価の申請業務を設計事務所や工務店に代行依頼する場合、別途代行費用がかかります。

代行費用の相場

  • 10万円〜20万円

合計すると、評価機関への支払い+代行費用で、総額40万円〜55万円程度が一般的です。

 

費用対効果を数字で検証:30年間の損得勘定

例「30万円以上の費用をかけて、本当にメリットがあるのか?」この疑問に、具体的な数字で答えます。

地震保険料の割引額(30年間)

住宅性能評価で耐震等級を取得すると、地震保険料が割引されます。

地震保険料割引率

  • 耐震等級1:10%割引
  • 耐震等級2:30%割引
  • 耐震等級3:50%割引

具体例:東京都の戸建住宅(木造・保険金額1,000万円)

 

耐震等級 年間保険料 30年間の保険料 割引なしとの差額
なし 42,200円 1,266,000円 0円
等級1 37,980円 1,139,400円 ▲126,600円
等級2 29,540円 886,200円 ▲379,800円
等級3 21,100円 633,000円 ▲633,300円

 

耐震等級3の場合、30年間で約63万円の節約になります。

つまり、住宅性能評価の費用(約30万円)は、地震保険料割引だけで5年程度で回収できる計算です。

※保険料は所在地・構造・保険金額・加入条件で変動します。本試算は「東京都・木造・保険金額1,000万円」の一例です。耐震等級割引の確認資料として、設計住宅性能評価書/建設住宅性能評価書が認められる扱いがあります。 

フラット35Sの金利優遇(35年ローンの場合)

住宅性能評価(耐震等級2以上、または省エネ等級4以上など)を取得すると、フラット35Sの金利優遇が受けられます。

フラット35の金利引下げは、制度(フラット35S/子育てプラス等)と条件により「引下げ幅・期間」が変動します。目安として、ポイント制メニューでは、1ポイント=当初5年間 年▲0.25%などの設計があり、住宅性能・家族構成等により引下げが上乗せされます。最新の引下げ内容は申込時点の公式条件で必ず確認してください。

具体例:借入額3,500万円、金利1.8%、35年ローン

 

項目 フラット35通常 フラット35S 差額
当初5年間の金利 1.8% 1.55%
月額返済額(当初5年) 113,470円 110,500円 ▲2,970円
総返済額 約47,637,400円 約47,459,200円 ▲178,200円

 

金利優遇により、総返済額が約18万円減少します。

住宅ローン減税の拡充

住宅ローン減税は、入居年だけでなく「建築確認時期」等の条件で扱いが変わります。

例えば、2024年以降に建築確認を受ける新築住宅は、省エネ基準適合が原則要件となり、基準を満たさない場合は控除対象外となる整理です。最新の適用要件・借入限度額は、入居年・住宅区分・建築確認時期を前提に確認してください。

住宅ローン減税の控除上限額(令和8年〜令和12年入居)

 

住宅区分 借入限度額 最大控除額(13年間)
長期優良住宅・低炭素住宅 5,000万円 約445万円
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 約409.5万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 約364万円
一般住宅 0円 控除なし

 

住宅ローン減税の適用要件・借入限度額は、入居年・住宅区分・建築確認時期等により決まります。特に、2024年以降に建築確認を受ける新築住宅は、省エネ基準適合が原則要件となり、基準を満たさない場合は控除対象外となります。

※本表は、令和8年〜令和12年の税制改正大綱を前提とした整理であり、最終的な適用可否は必ず国税庁・税制要件で確認してください。

贈与税の非課税枠拡大

住宅取得資金の贈与を受ける場合、住宅性能によって非課税枠が異なります。

贈与税の非課税枠(2026年12月31日まで)

贈与税の非課税枠は、省エネ等住宅:1,000万円/それ以外:500万円が基本枠として示されています。適用期限は税制改正で変わり得るため、利用時点の最新要件を確認してください。

住宅性能評価を取得し「質の高い住宅」に該当すれば、500万円多く非課税で贈与を受けられます。

30年間のトータルメリット(戸建住宅の例)

前提条件

  • 住宅性能評価費用:35万円
  • 耐震等級3取得
  • フラット35S利用(借入3,500万円)
  • 住宅ローン減税:ZEH水準として控除
  • 地震保険:30年間加入

費用とメリットの総額

 

項目 金額
費用 ▲35万円
住宅性能評価費用
メリット +63万円
地震保険料割引(30年) +18万円
フラット35S金利優遇 +45万円(省エネ基準との差額)
住宅ローン減税拡充
合計 +91万円

 

差し引きで約90万円以上のメリットがあり、住宅性能評価の費用は十分にペイします。

※上記は一例です。保険料・金利・税制、住宅区分判定は地域や契約条件で変動するため、施主には「自社案件の前提に置き換えた試算」で提示してください。

 

評価項目別の追加費用と選択基準

住宅性能評価は、住宅性能表示制度の評価基準に基づき、耐震・省エネ・劣化対策など複数の分野を等級で可視化します。

ただし、評価する分野・項目は依頼内容(評価範囲)や目的(保険割引、融資、認定用途など)で変わるため、見積り時点で「どの分野まで評価するか」を先に確定させることが重要です。

必須項目(基本料金に含まれる)

以下の4分野が評価されます(追加費用なし)。

  1. 構造の安定(耐震性)
  2. 火災時の安全
  3. 劣化の軽減
  4. 温熱環境・エネルギー消費量(省エネ性)

選択項目(追加費用が発生)

以下の6分野は、必要に応じて選択します。

 

分野 追加費用の目安 選択すべきケース
維持管理・更新の容易性 +1万円〜3万円 長期優良住宅認定を目指す場合(必須)
高齢者等への配慮(バリアフリー性) +1万円〜2万円 将来のバリアフリー化を見据える場合
空気環境(室内空気質) +2万円〜5万円 シックハウス対策を重視する場合
光・視環境 +1万円 採光性を客観的に示したい場合
音環境(遮音性) +2万円〜4万円 共同住宅で重要
防犯性 +1万円〜2万円 防犯性能を訴求したい場合

 

費用対効果の高い選択項目

  • 長期優良住宅を目指す場合 

維持管理・更新の容易性」は必須(追加費用+2万円程度) ただし、長期優良住宅の税制優遇で十分にペイする。

  • 共同住宅の場合 

「音環境(遮音性)」を選択すると、販売・賃貸時の差別化になる。

  • 一般的な戸建住宅の場合 

必須4項目のみで十分。追加項目は費用対効果を見極めて慎重に選択。

 

評価機関の選び方と費用比較

住宅性能評価は、全国約150の登録住宅性能評価機関で実施できます。費用と対応エリアに応じて選択しましょう。

主な評価機関と費用の傾向

 

評価期間の種類 費用 特徴
大手評価機関(日本ERI、JIO等) やや高め 全国対応、処理スピード速い
地域密着型評価機関 標準的 地域に詳しい、きめ細かい対応
建築確認機関系 やや安い 確認申請と併願で割引がある場合も

 

評価機関選定のポイント

✓ 対応エリア:物件所在地に対応しているか
✓ 処理期間:設計評価2〜3週間、建設評価は検査スケジュールによる
✓ 併願割引:建築確認、省エネ適判との併願で割引があるか
✓ 過去の利用実績:設計事務所・工務店との連携実績
✓ 料金の透明性:追加費用の発生条件が明確か

費用を抑える3つの方法

方法1:建築確認申請と同一機関で併願

  • 割引率:10%程度
  • 評価費用が3万円〜5万円安くなる

方法2:設計評価のみ取得(建設評価は見送り)

  • 地震保険割引などの多くのメリットは設計評価のみでOK
  • 費用を半額程度に抑えられる

方法3:複数の評価機関から見積もりを取る

  • 評価機関によって料金差が1割〜2割ある
  • ただし、最安値だけで選ばず、実績・対応も重視

 

よくある質問(Q&A)

Q1. 設計住宅性能評価だけ取得して、建設住宅性能評価を取らない場合、地震保険割引は受けられますか?

A.はい、設計住宅性能評価書だけでも地震保険割引は適用されます。

地震保険の耐震等級割引は、設計住宅性能評価書または建設住宅性能評価書のどちらでも証明書類として認められます。

ただし、以下の点に注意してください。

設計評価のみのデメリット

  • 実際の施工が設計通りか確認されていない
  • 万が一、施工不良があっても発見できない
  • 将来の売却時、建設評価もある方が評価が高い

建設評価も取得すべきケース

  • 長期優良住宅認定を受ける場合
  • 将来の売却・資産価値を重視する場合
  • 施工品質に不安がある場合

長期優良住宅の認定は、申請ルート(技術的審査/評価書の活用等)や所管行政庁の運用で必要図書が変わります。住宅性能評価書(設計評価書等)書類を確定させてください。費用対効果を考えると、設計評価のみでも地震保険割引は受けられますが、トータルのメリットを考えると建設評価も取得する方が望ましいです。

Q2. 住宅性能評価の費用は、住宅ローンに組み込めますか?

A.はい、住宅ローンに組み込むことが可能です。

住宅性能評価費用は「諸費用」として扱われ、多くの金融機関で住宅ローンに含めることができます。

組み込み可能な費用

  • 設計住宅性能評価費用
  • 建設住宅性能評価費用
  • 申請代行費用

ただし、金融機関や商品によって対応が異なるため、事前に確認してください。フラット35の場合、諸費用込みで借入できるプランがあります。

Q3. ハウスメーカーによって、住宅性能評価の費用が大きく異なるのはなぜですか?

A.ハウスメーカーによって、以下の要因で費用が異なります。

費用が安い理由

  1. 大量受注による評価機関との契約:大手ハウスメーカーは評価機関と包括契約を結び、割引を受けている。年間数百件〜数千件の実績で単価を下げている
  2. 社内で申請業務を実施:申請代行費用が不要、または代行費用を建築費に含めて見えにくくしている

費用が高い理由

  1. 外部委託による中間マージン:中小工務店は申請業務を外部に委託するため、マージンが上乗せ
  2. 少量発注による評価機関への支払い増:年間件数が少ないと、評価機関への支払いが割高

一般的に、大手ハウスメーカーの方が住宅性能評価の費用は安い傾向にあります。

Q4. 中古住宅でも住宅性能評価は取得できますか?費用はどのくらいですか?

A.はい、既存住宅(中古住宅)でも住宅性能評価は取得できます。

既存住宅の住宅性能評価は、新築時の評価とは異なる基準で評価されます。

既存住宅性能評価の費用相場

  • 戸建住宅:15万円〜25万円
  • 共同住宅(1戸あたり):10万円〜15万円

新築との違い

  • 現況調査が中心(設計図書がない場合)
  • 劣化状況の評価が追加
  • 音環境の評価は対象外

既存住宅性能評価のメリット

  • 売却時の物件価値向上
  • 買主への安心材料
  • 瑕疵保険加入の要件を満たせる

ただし、新築時に住宅性能評価を取得している方が、既存住宅評価よりも評価が高く、費用対効果も良い傾向にあります。

Q5. 住宅性能評価を取得しないとデメリットはありますか?

A.法律上は取得義務がないため、取得しなくても住宅を建築・購入できます。

ただし、以下のデメリットがあります。

経済的デメリット

  • 地震保険料の割引が受けられない(30年で最大63万円の差)
  • 住宅ローン減税の拡充が受けられない可能性
  • フラット35Sの金利優遇が受けられない
  • 贈与税の非課税枠が小さい

安心・品質面のデメリット

  • 第三者による客観的な性能チェックがない
  • 施工品質の保証が弱い
  • トラブル発生時の紛争処理機関が利用できない

資産価値のデメリット

  • 将来の売却時に評価が低くなる可能性
  • 性能が不明確で買主が不安を感じる

トータルで考えると、住宅性能評価の費用(30万円程度)は、メリットで十分に回収でき、取得した方が得です。

Q6. 住宅性能評価の費用を施主に説明する際のポイントは?

A.施主への説明では、費用ではなく「投資対効果」を強調することが重要です。

効果的な説明の流れ

 

STEP1:費用の内訳を明確に 「住宅性能評価の費用は、設計評価15万円+建設評価18万円の合計33万円です」

STEP2:地震保険割引を具体的に 「耐震等級3を取得すると、地震保険料が30年間で約63万円安くなります。つまり、評価費用の33万円は保険料割引だけで回収でき、その後は毎年約2万円の節約が続きます」

STEP3:税制優遇を加える 「さらに、住宅ローン減税やフラット35Sの金利優遇で、合計約60万円以上のメリットがあります」

STEP4:安心・品質面のメリット 「何より、第三者機関による客観的なチェックで、施工品質が保証されます。万が一のトラブル時も、専門機関の紛争処理が利用できます」

STEP5:資産価値の観点 「将来、売却される際も、住宅性能評価書があると物件価値が高く評価されます」

 

このように、数字で具体的にメリットを示すことで、施主の納得感が高まります。

 

まとめ:住宅性能評価の費用は「投資」と考えるべき

住宅性能評価の費用は、一般的な戸建住宅で設計評価+建設評価あわせて30万〜40万円が相場です。一見コストに見えますが、地震保険割引、住宅ローン減税、フラット35Sなどの経済メリットを合算すると、30年間で約90万円以上のプラス効果が期待でき、実質的には十分に回収可能な「投資」と言えます。

設計者・ゼネコン・デベロッパーにとっては、費用内訳を透明に示すこと、経済メリットを数字で具体的に伝えること、さらに品質保証や資産価値といった非金銭的メリットまで含めて説明することが、施主の納得と信頼を得るための重要なポイントです。住宅性能評価は、コストではなく、提案力と受注確度を高めるための有効な武器として活用すべき制度と言えるでしょう。

住宅性能評価は、施主にとって確実にメリットがある制度です。この記事で解説した費用相場と損得勘定を武器に、自信を持って提案していきましょう。

 

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この記事について
監修者

環境・省エネルギー計算センター 代表取締役 尾熨斗 啓介

連載
著書
環境性能認証不動産
コンサルティング業務

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