「CASBEE千葉」は、環境に配慮した建物評価システム「CASBEE」の中でも、千葉県が独自に開発・運用する評価システムです。

CASBEE（建築環境総合性能評価システム）とは、建築物の「環境への配慮」を総合的に評価するための評価システムのことです。

近年、世界的に省エネへの取り組みが進められる中で、日本国内でも環境に配慮した建築物が増加傾向にあります。

現在、一部の地方自治体では自治体の地域性や条例等を考慮した独自のCASBEE評価が設けられています。

本記事では、千葉県で活用されている「CASBEE千葉」の評価項目や届出の手順を紹介します。また、「CASBEE千葉」で評価された建築物の事例も併せて解説するので参考にしてください。

CASBEEとは

CASBEE（建築環境総合性能評価システム）とは、「Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency」の頭文字をとった言葉です。

CASBEEは、2001年に国土交通省によって、建築物の環境性能を客観的に評価するために定められたシステムです。

統一された評価観点で建築物を評価するため、建物の環境性能を客観的に理解することができます。

CASBEEは以下の3つの理念のもと開発されました。

• 建築物のライフサイクルを通じた評価ができること
• 「建築物の環境品質(Q)」と「建築物の環境負荷(L)」の両側面から評価すること
• 「環境効率」の考え方を用いて新たに開発された評価指標「BEE（建築物の環境性能効率、Built Environment Efficiency）」で評価すること

また、CASBEEでは建築物の環境性能について、評価に応じた5段階にランク分けされます。

 

ランク	評価
Sランク	素晴らしい
Aランク	大変良い
B＋ランク	良い
B−ランク	やや劣る
Cランク	劣る

CASBEE千葉（千葉市建築物環境配慮制度）とは

CASBEE千葉（千葉市建築物環境配慮制度）とは、千葉市が持続可能な社会の構築及び地球環境の保全に寄与するために自治体独自が行う建築物の環境性能評価システムのことです。

CASBEE千葉には、全国版のCASBEEを基準にして千葉市の地域性や条例等を考慮した独自の評価基準が追加されています。

千葉市内で、CASBEE千葉を利用して建物の評価を行うことで、より地域に適した建築物評価が可能となります。

CASBEE千葉の対象

CASBEE千葉では、一定以上の規模を誇る建築物に対して届出を義務化しています。

CASBEE千葉で届出が義務付けられている建築物の特徴は以下の通りです。

 

自治体名	評価建築物	対象規模	提出期限
千葉市	新築	2,000㎡以上	着工21日前

千葉市内で対象の建築物を建てる場合は、提出期限内の届出が必須です。

CASBEE千葉を届け出ると千葉市ホームページに公表される！

CASBEE千葉を利用して住宅性能評価を受けたことを千葉市に届け出ると、建築物名と評価内容が千葉市のホームページに公表されます。

ホームページに公表されることで、住民の方からもその建築物が高い環境性能をもつ建物であることを認識されます。

なお千葉市ホームページに公表されている建築物の評価内容は、建築物環境配慮計画変更届の提出により変更（更新）することが可能です。

CASBEE千葉市なら当社「環境・省エネルギー計算センター」へ無料で相談しよう！

CASBEE千葉市を利用して建築物の環境性能評価を受ける際は、「環境・省エネルギー計算センター」の利用がおすすめです。

「環境・省エネルギー計算センター」はCASBEE千葉の手続きを代行するサービスを行っています。

面倒な手続きを省いてCASBEE千葉を利用したい方は、「環境・省エネルギー計算センター」までご連絡ください。

CASBEE千葉の評価項目

CASBEE千葉では大きく「環境品質」と「環境負荷低減性」の2つの項目に分かれて評価されます。

環境品質は、建築物の「室内環境」「サービス性能」「室外環境」をもとに評価されます。

一方で、環境負荷低減性とは「エネルギー」「資源・マテリアル」「敷地外環境」をもとに評価が行われます。

 

出典：千葉市「千葉市建築物環境配慮制度（令和4年度）」

 

「環境品質」と「環境負荷低減性」それぞれの総合評価から、建築物の環境性能が5段階にランク付けされます。

出典：千葉市「千葉市建築物環境配慮制度（令和4年度）」

CASBEE千葉の重点評価項目はない

CASBEE千葉には、重点評価項目はありません。

各評価項目をトータル的に判断して5段階のランク分けがされます。

そのため、それぞれの項目について総合的に高い基準に達しないとSランクを獲得することができません。

CASBEE千葉でSランクを獲得したい場合は、各項目に配慮した建築設計を行ってください。

CASBEE千葉の届出の手順

CASBEE千葉を利用して受けた評価は建築物購入者やステークホルダーに公開することが大切です。

評価を公開することで、建物の環境性能に対する取り組みをアピールすることができ、建築物購入者やステークホルダーからの信頼度を高めることが可能です。

特に、環境に配慮した取り組みが求められる現代においては、環境性能に配慮した建物は評価が高く、需要が高まることが予想されます。

以下で、CASBEE千葉を利用して受けた評価を公表するための届出の手順を紹介していきます。

CASBEE千葉の届出先

CASBEE千葉を利用して受けた評価を公表する際は、建物の環境性能を千葉市へ報告します。

千葉市へ評価内容を届け出る際は、以下の4つの評価シートと委任状を作成します。

• 評価結果表示シート
• メインシート
• スコアシート
• 解説シート

シートと委任状の作成が完了したら、「千葉市 都市局 建築部 建築情報相談課」へメールで送付します。

CASBEE千葉のマニュアル

千葉市はCASBEE千葉で評価を受けた建築物の届出までの流れをマニュアルで公表しています。

マニュアルには、評価シート一式のダウンロード方法や届出書の提出先のメールアドレスが記載されています。

書類提出までの流れが細かく記載されているため、CASBEE千葉を利用して受けた評価を届け出る場合は、以下のマニュアルをご確認ください。

出典：千葉市「届出から公表までの手続きの流れ」

CASBEE千葉の事例

令和4年度に新たにCASBEE千葉の評価を受けた以下の3つの建築物の事例を紹介します。

• プレシス千葉みなとベイフロント　新築工事（仮称）
• 千葉県千葉市美浜区2丁目計画　新築工事（仮称）
• 敬愛大学・千葉敬愛短期大学新棟　新築工事（仮称）

それぞれの事例をもとに、CASBEE千葉の評価基準を解説していきます。

事例①：プレシス千葉みなとベイフロント　新築工事（仮称）

 

建設地	千葉県千葉市中央区問屋町111-3
建築用途	集合住宅
竣工年	2023年10月予定
階数	地上12F、地下0F
構造	RC造

プレシス千葉みなとベイフロント新築工事（仮称）は、CASBEE千葉でAランクの評価を取得しています。以下の観点で環境性能が高く評価されています。

【CASBEE千葉の評価ポイント】

［室内環境］
遮音性能の高いサッシを採用し、建物内の音環境に配慮されている。

［エネルギー］
LED照明の採用により、エネルギー使用量削減に配慮されている。

事例②：千葉県千葉市美浜区2丁目計画　新築工事（仮称）

 

建設地	千葉県千葉市美浜区浜田2丁目43番2、43番3
建築用途	工場
竣工年	2023年6月
階数	地上4F
構造	S造

千葉県千葉市美浜区2丁目計画　新築工事（仮称）は、CASBEE千葉でAランクの評価を取得しています。以下の観点で環境性能が高く評価されています。

【CASBEE千葉の評価ポイント】

［サービス性能］
階高のゆとりにおいて3.9m以上確保している。

［資源・マテリアル］
節水型水栓金具及び節水型便器を採用している。

事例③：敬愛大学・千葉敬愛短期大学新棟　新築工事（仮称）

 

建設地	千葉県千葉市
建築用途	学校
竣工年	2024年2月
階数	地上9F、地下1F
構造	S造

敬愛大学・千葉敬愛短期大学新棟　新築工事（仮称）は、CASBEE千葉でAランクの評価を取得しています。以下の観点で環境性能が高く評価されています。

【CASBEE千葉の評価ポイント】

［室内環境］
良好な光環境・温熱環境・吸音性能となるよう計画されている。

［エネルギー］
照明は人感センサー・昼光センサーを採用する等、照明 エネルギー削減に寄与している。

手続きが煩雑で難しいCASBEEの届出は当社「環境・省エネルギー計算センター」に無料で相談しよう！

世界的に環境への配慮が進む中で、今後建築物に対しても環境性能が求められることが予想されます。

千葉市に住む方は、CASBEE千葉を利用して建築物の環境性能を評価することが可能です。

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