マンションの購入を検討している方にとって、住宅性能評価は重要なポイントの一つです。住宅性能評価には、住環境の良し悪しに影響する要素が多く含まれています。
マンションで住宅性能評価を取得すると、建物の価値を客観的に判断できるなどメリットが豊富です。
本記事では、マンションで住宅性能評価を取得する方法や評価の基準について解説します。
マンションで住宅性能評価の取得を検討している方はぜひ参考にしてください。
住宅性能評価とは
住宅性能評価とは、住宅の設計や施工について客観的な基準で住宅を評価するための指標のことです。
国が定めた基準に沿って住宅の評価を行うため、統一された基準で住宅の性能を比較することができます。
住宅性能評価は国が認定した第三機関によって住宅の性能が評価され、基準を満たした建物に対して住宅性能評価書が交付されます。
住宅性能評価書が交付された住宅は、住宅購入者が住宅性能の高さを客観的に理解できるため、自身の希望に合う住宅を選ぶことが可能です。
また、住宅の販売者にとっても住宅性能評価を取得しておくことで購入者から一定の信頼感を得ることができるため、マンションの販売がしやすくなります。
このように住宅性能評価を受けることは、購入者、販売者の双方にとってメリットがあります。
マンションで住宅性能評価を取得するには
住宅性能評価は、一般的な戸建住宅だけでなくマンションでも取得が可能です。
住宅性能評価を取得する際は、新築マンションと中古マンションで取得方法が異なるため注意が必要です。
本章では、新築マンションと中古マンションで住宅性能評価を取得する際の違いについて紹介します。
住宅性能評価を取得する場合は、それぞれの取得方法の違いを理解して申請してください。
注意!新築マンションの購入者が住宅性能評価を取得することはできない
新築マンションの場合は、購入者が自分で住宅性能評価を取得することができません。
新築マンションで住宅性能評価の申請を行えるのは、住宅を所有する不動産オーナーのみです。
住宅性能評価の取得には不動産オーナーが申請のための費用を負担し、国に登録されている第三者評価機関から評価を受ける必要があります。
マンションの住宅性能が評価基準を満たしていることで住宅性能評価書が交付されます。
住宅性能評価を取得した不動産オーナーは「住宅性能評価書付き住宅」としてマンションを販売することが可能です。
中古マンションは管理会社への相談が必要
一方で、中古マンションの場合はマンションの購入者が住宅性能評価の申請を行うことが可能です。
ただし、マンションの入居者が住宅性能評価の申請を行う場合、入居者だけで申請を行うことはできません。
あらかじめ、マンションの管理会社に住宅性能評価の申請をすることを伝える必要があります。
マンションの管理会社から申請の許可が降りた後、国が認定した第三者機関に調査の申請を行うことが可能です。
マンションの住宅性能評価の評価項目・等級
マンションの住宅性能評価項目は35項目(新築の場合は33項目)から成り立ちます。
また、各評価項目は10個の分野に分類され評価が行われます。
- 構造の安定に関すること
- 火災時の安全に関すること
- 劣化の軽減に関すること
- 維持管理・更新への配慮に関すること
- 温熱環境・エネルギー消費に関すること
- 空気環境に関すること
- 光・視環境に関すること
- 音環境に関すること
- 高齢者等への配慮に関すること
- 防犯に関すること
住宅性能評価の審査を受ける際の必須分野は、「構造の安定に関すること」「劣化の軽減に関すること」「維持管理・更新への配慮に関すること」「温熱環境・エネルギー消費に関すること」の4つです。
詳細 | |
構造の安定性に関すること | 耐震性など、建物の強度を評価 |
劣化の軽減に関すること | 経年劣化を軽減する対策が、どの程度とられているかを評価 |
維持管理・更新への配慮に関すること | 定期的なメンテナンスが必要となる給水管やガス管周りなどの補修や清掃のしやすさを評価 |
温熱環境・エネルギー消費に関すること | 冷暖房に使用されるエネルギーを減らすための対策を評価 |
その他の分野については任意での申請となります。
住宅性能評価の審査分野を増やすことで、その分審査の費用も高くなるため注意が必要です。
なお、住宅性能評価を行う第三者評価機関から評価を受けることで、基準に適した等級を取得できます。
住宅性能評価の等級に関して詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
各分野における、住宅性能の等級基準が理解できます。
【2023年版】住宅性能評価の項目・等級について専門家が徹底解説
マンションで住宅性能評価を取得するメリット
マンションで住宅性能評価を取得するメリットは以下の3点です。
- 住宅性能が等級で可視化されるため、住宅購入者が安心できる
- 地震保険料の割引が受けられる
- 住宅ローンの金利を引き下げることができる
住宅性能が高いマンションは性能面でも優れているため、購入者も安心して購入することができます。
また、高い等級が与えられたマンションでは、等級に応じて金利が低くなり、地震保険料の割引率も高まります。
たとえば、耐震等級3を取得しているマンションは、地震保険の割引率は50%が適用されるなどお得に保険を組むことが可能です。
このように、マンションで住宅性能評価を取得することで多くのメリットが得られます。
購入者は住宅性能評価があるマンションを選ぶべき?
マンションの購入を検討している場合は、住宅性能評価を取得しているマンションを選ぶのがおすすめです。
住宅性能評価を取得したマンションは一定の基準を満たした住宅であることの証明となります。
耐震性や耐火性などが優れているため、入居後も安心して生活を送ることができます。
また、住宅ローン控除や地震保険料の削減など経済的な利点も豊富です。
災害時の安全性も考慮された住みやすいマンションに入居したい方は、住宅性能評価を取得したマンションを選んでください。
よくある質問
初めて住宅性能評価の取得を検討する方の中には、さまざまな疑問や悩みを抱える方がいます。
本章では、マンションの住宅性能評価に関するよくある質問についてまとめています。
- マンションの住宅性能評価の取得は義務?
- 中古のマンションで新しく住宅性能評価を取得することはできる?
以下で詳細を解説するので、マンションの住宅性能評価について疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてください。
マンションの住宅性能評価の取得は義務?
マンションの住宅性評価の取得は義務ではありません。
住宅性能評価の取得はあくまでも任意となるため、不動産オーナーや住居者の意思のもと申請されます。
ただし、住宅性能評価は取得することでマンションの価値向上など多くのメリットが得られます。
マンションの価値を客観的に示し、多くの入居者に購入してもらいたい方は、住宅性能評価の取得がおすすめです。
中古のマンションで新しく住宅性能評価を取得することはできる?
中古マンションで新しく住宅性能評価を取得することは可能です。
中古マンションの住宅性能評価は、不動産オーナーや入居者どちらからの申請もできます。
なお、住宅性能評価の取得には費用が必要です。
住宅性能評価の取得の際は、依頼する住宅性能評価の第三者機関に費用面の確認をしておきましょう。
マンションの住宅性能評価を検討しているなら「環境・省エネルギー計算センター」へ無料で相談しよう!
マンションの住宅性能評価を検討している方は、無料相談を受け付けている「環境・省エネルギー計算センター」への問い合わせがおすすめです。
「環境・省エネルギー計算センター」では、住宅性能評価の代行業務を行なっています。
面倒で煩雑な住宅性能評価の手続きも、弊社に代行依頼をいただければ簡単に手続きが完了します。
手間を省いて住宅性能評価を取得したい方は、「環境・省エネルギー計算センター」までお問い合わせください。
