こんにちは!環境・省エネルギー計算センターの尾熨斗(おのし)です。
子供や孫が住宅を購入する際に、お金を援助する親御さん・おじいちゃんおばあちゃんは、いませんか?
今回は、「普通の住宅」から「質の高い住宅」にランクアップすることで住宅性能証明書を取得し、贈与税の枠(非課税)が500万円もアップする方法を解説します♪
住宅性能証明書ってなに?いつまでに取得する必要があるの?
住宅性能証明書とは、その建物が、どれだけ質の高い住宅かを証明するものです。
<住宅の新築又は新築住宅の取得>
1) 断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
2) 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免震建築物の住宅
3) 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上の住宅
適合を申請する項目により下記工程にて現場の検査を行い、設計図書に従った施工であるかの確認を行います。
・省エネルギー性 … 下地張り直前工事の完了時、竣工時
・耐震性 … 基礎配筋工事の完了時、躯体工事完了時
・バリアフリー性 … 下地張り直前工事の完了時、竣工時
※上記工程を過ぎてからの申請は現場の確認を行うことが出来ませんので、原則難しいです。
<中古住宅の取得>
中古の場合は、以下の条件を満たすことが必要であり、ハードルは高くなっております。省エネ基準を満たす場合で説明します。
1)現場検査がありますので、リノベーションなどを行い断熱材まで検査できる物件など
2)施行当時の、現場、各検査で必要な場所の書類(写真など)が整備されている
上のような物件で初めて申請がができる物件になり、ここから、省エネ計算をして審査になりますので、極めて難しくなっております。この住宅性能証明書は、当センターなどが省エネ計算を行い、登録住宅性能評価機関にて審査してもらうことで取得することが可能です!
住宅取得等資金の贈与税の非課税はどのような制度?
通常、1年間で110万を超える生前贈与には贈与税がかかります。
しかし、子供が住宅を購入するための資金援助であれば、年間110万円に追加で、最大3000万円まで贈与しても、一定の条件を満たせば、贈与税が非課税となる特例があります。
この非課税となる金額は、家を新築などする日がいつなのか?により決定します。
以下に国税庁のHPに掲載されている一覧表をご確認ください。
そして、この非課税となる金額は、この表を見てお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、「普通の住宅」より「省エネ住宅」の方が、500万円も高く設定されているのです!
住宅取得等資金の贈与税の非課税制度を活用するメリット
① 相続税対策になる!
住宅取得等資金の贈与税の非課税を使った金額は、親御さまやお祖父母さまの相続財産にならずに済みますので、相続税対策になります。さらに、三年以内加算の対象からも外れることになりますので、一石二鳥ですね。
このように贈与税がお得になるだけでなく、相続税対策にもなる点が、この特例のいいところです。
② 500万円非課税の金額が増えると、500万円に対応する贈与税分、得になる!
「省エネ住宅」の認定がないと、500万円分、贈与税の非課税金額が少なくなりますので、損になってしまいます。例えば、令和2年12月に1,610万円住宅取得等資金として贈与する場合に、普通の住宅と省エネ住宅だと、70万円も贈与税の金額が変わります。
※普通の住宅
(1610万円△1000万円△110万円)×20%△30万円=70万円
※省エネ住宅
(1610万円△1500万円△110万円)=0円
※差額
70万円△0円=70万円
こんなに贈与税額を節約できて、相続税対策にもなるのであれば、省エネ住宅の認定を取らないと損だと思います。 さらにこの省エネ住宅の認定(住宅性能証明書)を取得すると、そのままフラット35のローン申請にも活用できますので、一度で二度美味しい証明書となっています。
設計士、ハウスメーカーの皆さんへ
上のように省エネ住宅にして住宅性能証明書を取得することは建築主にとってメリットが大きいです。省エネ計算などは当センターにて代行可能ですので、ぜひ、建築主に住宅性能証明書の取得をオススメしてください。
建築主の方へ
詳しくはハウスメーカーや設計士から説明があると思いますが、ハウスメーカーから説明がない場合、設計事務所に依頼しているが設計士から説明がない場合は特例を知らない可能性があります。
この特例を適用するためには、住宅証明書を取得する期限、そして、贈与税申告の期限など各種要件がありますのでご注意ください。とくに贈与税の特例は、ひとつでも要件を満たさないと適用することができない厳しいものです。当センターは、相続専門税理士が顧問におりますので、ご紹介することも可能です。
