DBJグリーンビルディング認証のメリットについてお調べですね。
結論からお伝えすると、DBJグリーンビルディングに認証されることで、物件価値を向上させることができます。DBJグリーンビルディングの認証を受けることができれば、顧客や投資家への広報活動においても役立てることが可能です。
本記事では、DBJグリーンビルディング認証による財政的メリットについて詳しく解説しています。ぜひDBJグリーンビルディングについて理解を深め、物件価値向上に役立ててください。
DBJグリーンビルディング認証とは?
DBJグリーンビルディング認証とは、2011年4月に日本政策投資銀行によって環境・社会への配慮がなされた物件を支援するために創設された認証制度です。
DBJグリーンビルディング認証は、不動産評価を通じた事業者と投資家の架け橋として注目されており、金融機関によって導入された初の認証制度になります。
DBJグリーンビルディング認証は、ESG投資に基づいた下記5つの基準から、不動産の価値を総合的に評価しています。
- 建物の環境性能(Energy &Resources)
- テナント利用者の快適性(Amentity)
- 多様性・周辺環境への配慮(Community &Diversity)
- ステークホルダーとの協働(Partnership)
- 危機に対する対応力(Resilience)
これら5つの評価基準をもとに、企業や物件の優れた取り組みを集約することでスコアリングを行うことで、5段階で評価しています。
DBJグリーンビルディング認証は、物件に対して1〜5つ星を付与しており、星の数が多いほど高く評価された物件を示します。
評価ランク | 特徴 |
★★★★★(5つ星) | 国内トップクラスの卓越した「環境・社会への配慮」がなされたビルであることの認証 |
★★★★(4つ星) | 極めて優れた「環境・社会への配慮」がなされたビルであることの認証 |
★★★(3つ星) | 非常に優れた「環境・社会への配慮」がなされたビルであることの認証 |
★★(2つ星) | 優れた「環境・社会への配慮」がなされたビルであることの認証 |
★(1つ星) | 十分な「環境・社会への配慮」がなされたビルであることの認証 |
DBJグリーンビルディング認証によるメリットとは?
DBJグリーンビルディング認証は、金融機関が認証している制度であるため、環境面への配慮に加えて財政面に関するメリットが豊富です。
認証を受けた物件は非認証の物件と比べて、不動産としての価値が高まることが予想されます。
以下で、DBJグリーンビルディング認証を取得した物件の財政価値が向上する理由を解説していきます。
物件のブランド価値の向上
DBJグリーンビルディング認証は、対象物件の優れた取り組みを集約することでスコアリングを行い、環境における物件価値を評価しています。
環境・社会への配慮を評価基準に基づいて1~5つ星で評価しているので、物件の価値が「見える化」できるのです。
そのため、高ランクの認証を受けた物件は、不動産としての価値が明確になり、今後の不動産投資としてのブランド価値向上が見込まれます。
物件価値向上のサポートが受けられる
DBJグリーンビルディングに認証された物件は、日本政策投資銀行によって更なる物件価値向上のためのサポートを受けることができます。
また、評価に関する最新の動向を盛り込んだ評価体系に基づき、フィードバックやコンサルティングの支援を受けることも可能です。認証後も不動産運営等における改善のアドバイスを得ることができるため、業務効率化や再構築を実施することができ、経営の健全化に繋がります。
顧客や投資家への広報活動に役立てる
日本政策投資銀行は、DBJグリーンビルディングに認証された不動産の環境・社会への配慮の取り組みに光を当てたPR活動を支援しています。
具体的には、DBJグリーンビルディング認証によって獲得した評価を企業のIRに記載することが可能です。それにより、顧客や投資家に対する「企業としての健全性・環境への意識」のアピールに繋がります。
DBJグリーンビルディング認証を取得することは、認証後に企業としてのブランド価値を広めていきたい方にとって大きなメリットがあります。
DBJグリーンビルディングに対する不動産投資家の認識
近年の資本市場では、投資家や社会全体に長期的な利益をもたらす手段として、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)に配慮したESG投資が注目されています。
DBJグリーンビルディング認証は、不動産市場におけるESG投資を行ううえでも1つの評価指標になるため、認証物件の投資価値は今後ますます高まることが予想されます。
不動産投資家も、DBJグリーンビルディング認証を獲得した物件は、今後の期待利回りや賃貸料金が高くなると認識しています。
- ESG不動産とそうでない不動産との賃料比較(現在)
- ESG不動産とそうでない不動産との賃料比較(10年後)
- ESG不動産とそうでない不動産との期待利回りの比較(現在)
- ESG不動産とそうでない不動産との期待利回りの比較(10年後)
出典:一般財団法人日本不動産研究所による「不動産投資家調査」
将来的に不動産価値を向上させたいと考えている方は、今のうちからDBJグリーンビルディング認証の取得に向けた取り組みをおすすめします。
ESG対応が不十分な物件は時代遅れ?
ESG不動産投資を考えたうえで、企業の持続性や安全性の証明・長期にわたる運用を目指すためには、DBJグリーンビルディング認証は活用すべき制度だと言えます。
2012年3月に41件であったDBJグリーンビルディング認証件数は、2021年3月末時点で1073件と年を追うごとに大幅に増加しています。今後は、DBJグリーンビルディング認証を取得していること自体スタンダードになると予測されます。
自社が時代遅れにならないためにも、今のうちから認証に向けた準備を始めておきましょう。
物件価値を高めるためにDBJグリーンビルディング認証を活用しよう
DBJグリーンビルディング認証によるメリットについて財政的側面を中心に紹介してきました。
今日、DBJグリーンビルディングに認証されている物件数は1000件を超えています。
投資家による今後の見通しでも、認証物件は賃料・期待利回りが上がることが予想されています。
環境・社会への配慮と物件価値向上どちらも考えた上で、DBJグリーンビルディング認証を活用してみてはいかがでしょうか。
DBJグリーンビルディング認証の取得方法や費用、年会費、有効期限などについて知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
参考:DBJグリーンビルディング認証とは?目的や評価基準・認証メリット・今後の動向についてプロが解説【2022年最新】
